放送日誌 2024年2月

編集広報部

放送界の動きを中心に、行政や海外の動向もあわせ、1カ月の動きを日誌形式で記録します。
*2024年2月分を掲載。


【民放連】
2.2 営業委員会、第50回テレビ営業ゼミナールをオンラインで開き、130社1,151人が参加。広告主がテレビに何を求めているかを受けとめテレビの価値を再考した。

2.7 文化庁の「AIと著作権に関する考え方について(素案)」に意見を提出。今後も分かりやすいガイドライン等の作成について検討が深められることを求めたうえで、▷AI事業者が営利目的で大量の著作物を利用している状況を鑑み、技術および法制度によるオプトアウトの可能性についての検討▷海賊版等の権利侵害複製物を利用した学習は厳に罰すべきであり、さらに踏み込んだ規制を著作権法および著作権法以外の枠組みや技術による対応なども含めた検討▷AI利用者または権利を侵害した疑いがある者が主張・立証できない事項については、AI事業者側が立証について一定の負担を負う――などを要望した。

2.15 日本弁護士連合会(日弁連)との第32回「報道と人権に関する懇談会」を開き、報道委員会と放送基準審議会の下部組織「報道専門部会」「放送の自主・自律に関する特別部会」の委員ら26人、日弁連は「人権と報道に関する特別部会」の委員など32人が参加。旧ジャニーズ事務所の創業者による性加害をめぐる問題をテーマに意見を交わす。

2.15 総務省の「公共放送ワーキンググループ第2次取りまとめ案」に意見を提出。NHKのネット配信が必須業務化されても、▷放送がネット配信に劣後してはならない▷民放事業者が採算面などから手掛けにくい番組や業務をNHKが提供することが国民視聴者の利益に適う――などを指摘した。このほか、NHKのネット配信業務およびガバナンスのあり方についても考え方を示した。

2.16 民放連の会長推薦委員会、次期会長の候補者に遠藤龍之介・フジテレビジョン副会長(民放連現会長)を選定。遠藤氏は6月14日の定時総会で理事に選任され、総会後に開催する理事会で会長に選定される。任期は2026年度定時総会終結時までの2年間。

2.16 総務省の「AI事業者ガイドライン案」に意見を提出。政府の一体的な取り組みによる同案の作成を評価し、安心してAIを開発・提供・利用できる包括的で実用的なガイドラインになることを求めたうえで、偽情報対策や権利者の保護を必要とする意見を表明した。

2.21 総務省の「放送設備のIP化に伴う放送法関係審査基準の一部改正案」に意見を提出。従来のSDI/ベースバンドマスター向けの規定を現行どおりとしたうえで、IPマスターのサイバーセキュリティ確保に必要な措置例を概括的に示し、同等の代替措置も認めるよう規定したことは適切とした。

2.22 7月開催のパリ2024オリンピックの民放テレビによる取り組み概要を発表。民放地上波テレビ各系列では注目種目の生中継を中心に放送と配信を駆使して選手たちの活躍を伝える。

2.28 報道委員会、報道記者研修会をオンラインで開き、53社92人が参加。福和伸夫・名古屋大学名誉教授が基調講演で1月1日の能登半島地震で得られた教訓を活かした防災報道のあり方を考察したほか、能登半島地震のメカニズムを解説した。このほか、「災害報道」「事件・事故報道」「デジタル発信」の3つのテーマで分科会を開催。

2.29 ミュージックバードが個人向け衛星放送事業を終了し、民放連を退会。これに伴い3月1日から民放連会員数は207社。

2.− 『放送基準解説書2024』を発行。「民放連 放送基準」に新設した番組出演者への誹謗中傷に関する条文の4月施行を前に円滑な運用を図る。本解説書は4万7,000部を作成し、会員社に配布した。


【放送・マスメディア】
2.1 茨城放送、正式社名を「株式会社LuckyFM茨城放送」に変更。コミュニケーションネームも「Lucky FM」にそろえることで認知度や企業価値の向上を図る。

2.1 日本テレビ系列31社で構成する「公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会」、昨年11月に発覚した日本海テレビ元幹部による寄付金着服を受け、再発防止策を発表。内部調査の結果、新たな不正事例は確認できなかったが、外部弁護士を含むチームを編成し、募金活動における新たな規約の策定や募金活動のモニタリング調査の実施などにより、信頼回復に努める。日本テレビは同17日、本事案の再発防止策の取り組みや考え方を特別番組で全国放送した。

2.4 四国放送のテレビ放送が12時43分から約33分間停波。マスター室の送信機器故障によるもので放送エリアの全域(徳島県)に及んだ。

2.5 市民グループ「テレビ輝け!市民ネットワーク」、共同代表を務める田中優子氏(法政大学前総長)、前川喜平氏(元文部科学事務次官)、梓澤和幸弁護士がテレビ朝日ホールディングスの提案に必要な量の株式を取得したと公表。テレビジャーナリズムの萎縮を防ぐため、株主となり株主総会で建設的な提案を行うと表明した。

2.8 日本テレビ、漫画家の芦原妃名子さんの死去を受けて特別調査チームを設置。ドラマ化された人気漫画『セクシー田中さん』の脚本をめぐり、制作側と見解の違いが生じていたとされていることなどについて、これまで独自で調査を行ってきたが、小学館の協力を得て外部有識者に協力を依頼、ドラマ制作部門から独立して社内調査を進めるとした。

2.9  日本新聞協会メディア開発委員会、AIと著作権に関する考え方(素案)に意見を提出。素案は現行の著作権法に関し従来より踏み込んだ解釈を示しているとし「権利の適正な保護に向けて一歩前進した」と評価。そのうえで、現行法の解釈だけで「コンテンツの権利保護を図るには限界がある」と指摘。法改正に向けた検討を急ぐよう求めるとともに、生成AI(人工知能)の開発事業者やサービス提供者が知的財産にタダ乗り(フリーライド)することは許容できないと強調した。

2.21 radikoがPodcast配信を開始。聴取期限や配信期限がなく、radikoアプリで過去のアーカイブを全国どこからでも無料で聴ける。ラジオとPodcastを自由に行き来して関連番組も楽しめる機能を搭載している。

2.24 電通、「2023年日本の広告費」を発表。23年の総広告費は7兆3,167億円(前年比3.0%増、以下同)と、1947年の推定開始以降、前年に続き過去最高に。テレビメディアは1兆7,347億円(3.7%減)でこのうち地上波が1兆6,095億円(4.0%減)、ラジオは1,139億円(0.9%増)だった。インターネット広告媒体費は2兆6,870億円(8.3%増)で前年に続き増加した。同媒体費の一部であるマスコミ4媒体由来のデジタル広告費は1,294億円(6.9%増)だった。このうちテレビメディア関連動画広告は443億円(26.6%増)に。

2.29 ミュージックバードがキャンシステム株式会社との業務提携の解消により、衛星を利用したデジタル音楽放送サービス「SPACE DiVA」を終了。3月以降の本サービスはコミュニティFM局への配信を継続する。

2.― 民放AMラジオ13社がAM局の運用休止を2月から順次開始。2023年の地上基幹放送の一斉再免許に合わせ特例措置の適用を受けて行うもので、該当するラジオ13社と休止開始予定は次のとおり。<2/1~IBC岩手放送・LuckyFM茨城放送・南海放送・南日本放送、2/5~新潟放送・福井放送・山口放送・RKB毎日放送・九州朝日放送・長崎放送・熊本放送、7/1~東海ラジオ放送、8/1~北陸放送(準備中)>


【行政・海外】
<行政等>
2.9 政府がNHKの2024年度の収支予算と事業計画を閣議決定し、通常国会に提出した。インターネット活用業務関連費用に195億円計上。政府は放送法を改正してNHKの地上波放送番組のネット配信を必須業務に格上げする方針で法改正を見据えた準備費用の15億円も含む。

2.20 東京地裁、NHKと森下俊三経営委員長に賠償命令の判決。2018年4月に放送したNHK『クローズアップ現代+』でかんぽ生命保険の不正販売の報道をめぐり、NHK経営委員会が当時の上田良一NHK会長に厳重注意した問題で市民団体は「番組介入にあたる」と提訴していた。東京地裁はNHK側に議事の録音データの開示などを命じた。NHK広報局はすでに存在しない録音データを開示する判決内容に遺憾の意を表し控訴する意向を示す。

2.28 総務省が「公共放送ワーキンググループ第2次取りまとめ」を公表。NHKインターネット活用業務について、①継続的・安定的な実施が義務付けられる「必須業務」とするよう制度変更すべき、②地上テレビ放送以外のネット配信も原則として必須業務化することが適当、③テキスト情報等の範囲の決定には民放や新聞社等の地域メディアとの公正競争確保を考慮する――などの基本的認識を示し、衛星放送は実施環境が整うまで必須業務化を見送ることが適当とした。併せて、テキスト情報等の範囲は競争評価の仕組みを経て決定されるべきなどとした。このほか、NHKのガバナンスについては、実効性確保のために経営委員会・監査委員会による監督・監査機能の強化の提言などを行っている。

<海外>
2.6 米メディア大手3社(FOXとウォルト・ディズニー傘下のスポーツ専門局ESPN、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)が合弁して新たなスポーツ専用の動画配信サービスを今秋立ち上げると発表。▶2.15、米司法省が3社合弁事業の詳細が決まった段階で消費者やスポーツリーグ、ライバルメディアへの影響や健全な市場環境を調査すると発表。▶2.20、米スポーツ専門配信サービスのFuboが3社を反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴した。

2.11 米最大のスポーツイベント「第58回スーパーボウル」がラスベガスで開かれた。ライブ視聴は1億2,340万人(ニールセン調べ、CBSスポーツ発表)でテレビ史上最多の視聴者数を記録。テレビ放送はCBS・ニコロデオン・ユニビジョン(スペイン語放送)、動画配信はParamount+で生中継した。

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