放送番組国際交流センター（JAMCO）の2024年度の国際版番組がこのほど公表された。文化交流や日本への理解に役立つ番組を民放連加盟のテレビ社とNHKから募り、英語吹替等の国際版を制作。希望する途上国の放送機関に無償で提供する。英語版は民放から8社11番組、NHKから8番組、スペイン語版は民放1番組、NHK5番組が選ばれた（以下のとおり）。
＜英語版＞
▷北海道テレビ放送＝未来を創る森のチカラ 北海道から発見！の旅
▷東日本放送＝テレメンタリー2024 "3.11"を忘れない 93 100人の証言 命をつなぐ津波避難
▷CBCテレビ＝「声」―あなたへ 2024春編
▷三重テレビ放送＝NINJA～忍び者の生きる道～（計3本）
○忍者は公務員だった!?～知られざる忍者の任務と歴史～
○すぐ使える!? 初心者のための忍術入門～忍者・忍術学講～
○忍者の"忍び六具"を徹底解剖！～伝承の忍術道具と用法～
▷毎日放送＝情熱大陸（計2本）
○東京湾水先人会
○竹あかり演出家 三城賢士・池田親生
▷テレビ新広島＝彷徨う居場所～親亡き後 障がいのある我が子は～
▷RKB毎日放送＝日本のチカラ「人形師翔る！ 父と子の追い山笠」
▷琉球朝日放送＝戦場ジャーナリストのエンディングノート
▷NHK＝コネクト（計3本）
○"あの日の中学生たち"を見つめて
○被爆樹木と生きる Autumn ＆ Winter
○ヒロシマ・ノートをつなぐ
▷NHK＝BOSAI: Be Prepared（計4本）
○Dealing with Female Disaster Needs
○Helping the Elderly to Evacuate
○Evacuation with Pets
○Children's Needs in Disasters
▷NHK＝A Final Lesson
＜スペイン語版＞
▷名古屋テレビ放送＝日本のチカラ 海のごみを宝物に！
▷NHK＝テキシコー 第1回～5回（計5本）
本年度の応募は7月22日まで
JAMCOは2025年度の国際版の番組制作に向けて対象番組を民放連加盟テレビ各社とNHKから募集している。
「こども番組」「教育番組」「伝統芸能」「教養番組」「趣味・娯楽」「ドキュメンタリー」「ドラマ」「アニメ」など幅広いテーマ・ジャンルが対象。開発途上国の教育・生活の向上や防災・減災に役立つ情報を含み、途上国の課題解決の参考になるものを募る。日本の技術や先端産業の動向、伝統・歴史・文化や地域の暮らしぶりなど日本への関心に応えるものも歓迎する。
10月に開催する番組評価委員会の審議を経て制作対象番組を決定し、英語版などの国際版（吹き替えまたは字幕付与）を制作。費用はJAMCOが負担する。2025年度内に制作、26年度以降に希望する途上国の放送局に無償で提供する。
また、応募にあたって次の3点を必須条件としている。
▶外国において放送とのインターネット同時配信および放送から1カ月以内の見逃し配信が可能な権利処理が済んだ番組、もしくは国際版を制作する際に権利処理が可能である番組
▶番組に使用される楽曲がすべて著作権処理不要の楽曲に差し替えられた番組、もしくは国際版を制作する際に権利処理不要の楽曲にすべて差し替えが可能である番組
▶選考過程において国際版を制作する候補に絞り込まれた番組は、8月下旬をめどに番組に使用されている映像や写真などの権利情報を、原則としてカットごとに明記したリストで提出する
応募の締め切りは7月22日（火）。応募要項はJAMCOウェブサイト（外部サイトに遷移します）の「最新情報」欄を参照。
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JAMCOは民放連加盟のテレビ各社とNHKが1991年に設立した一般財団法人。テレビ番組を介して国際交流を進め、相互理解の促進と途上国をはじめとする諸外国の放送の発展に寄与することを目的に活動している。提供した国際版は24年度末までに101カ国に1万5,000本を超える。
また、創設以来、テレビ番組の国際交流やテレビメディアの国際化などをテーマにシンポジウムを行っており、2002年度からはオンライン形式で実施している。2024年は日本にとって重要なコンテンツ提供先となっているタイと地上デジタルテレビ放送化が進んでいるカンボジアをテーマに開催した。その記録をウェブサイトで公開している。