7月6日、第48回放送文化基金賞の贈呈式がオークラ東京で開かれ、受賞者が一堂に会した。新型コロナの影響で会場への出席は受賞者らに限られ、関係者向けにユーチューブでライブ配信を行った。
開会にあたり、放送文化基金の濱田純一理事長があいさつ。「番組に込められた制作者の思いがどの作品からも感じられた」と受賞作をたたえた。また、民放連の遠藤龍之介会長は「事実を正確に伝え、安心して楽しめる娯楽を提供してきた放送は、あと3年で開始から100年を迎える。民間放送もその先へと歩みを進めていきたい」とあいさつした。
表彰は個人・グループ部門「放送文化」から。『提言の広場』制作スタッフの山形テレビ・工藤良一氏「先輩ディレクターや技術スタッフ、編成など社の総力で受賞できた。今後は若い制作者を育てていきたい」、『RSK地域スペシャル メッセージ』制作スタッフのRSK山陽放送・山下晴海氏「ゴールデン帯で10年間がんばってきたことが評価された。若手制作者の学びの場にもなっている」と、担当者がそれぞれ喜びを語った。琉球放送で長年パーソナリティを務めてきた上原直彦氏は「老体に鞭打って、これから後輩のためにどれだけのことができるか。日々思いを強くしている」とのメッセージを音声で寄せた。同部門の「放送技術」は、日本テレビAI社内開発チームと、山口放送らの「FM回り込みキャンセラー」開発チームが受賞した。
<左から山形テレビ・工藤良一氏、RSK山陽放送・山下晴海氏、上原直彦氏>
番組部門「ラジオ番組」の優秀賞はRKB毎日放送『永遠の平和を あるBC級戦犯の遺書』。個人賞の企画・制作賞もあわせて受賞した大村由紀子氏が「マイナーなテーマに光を当ててくれてエールをもらえた」と感謝を述べた。「テレビエンターテインメント番組」の最優秀賞にはTBSテレビ『水曜日のダウンタウン おぼん・こぼん THE FINAL』が輝き、演出の藤井健太郎氏が「喜びや悲しみなど、誰かの感情が動く瞬間を大事にしている番組。これからもチャレンジを続けたい」と意気込みを語った。
<左からRKB毎日放送・大村由紀子氏、TBSテレビ・藤井健太郎氏>
また、「テレビドラマ番組」は、日本テレビ『水曜ドラマ ハコヅメ~たたかう!交番女子~』が最優秀賞に。プロデューサーの藤森真実氏に続き、演技賞を受賞した主演の永野芽郁さんが舞台に登場。「緊張しています」と会場を和ませながら、作品に関われた喜びに笑みをこぼした。