米上院司法委員会の反トラスト法小委員会で2月2日、「ジャーナリズムの競争・維持法案(Journalism Competition and Preservation Act=JCPA)」に関する公聴会が開かれ、NAB(全米放送事業者連盟)らが同法案への支持を表明した。同法案は、ラジオ・テレビ・新聞などのローカル報道機関がグーグルやメタ(旧フェイスブック)などの巨大デジタルプラットフォームとニュースコンテンツの使用料などについて団体交渉を行う際、今後4年間にわたり反トラスト法の適用除外を認め、集団での交渉を可能にするもの。
公聴会では、Hubbard Broadcasting(ミネソタ州)のノエル・オクスレー副社長がNABを代表して証言。オクスレー氏は▽無料放送で提供される質の高いジャーナリズムは広告収入によってのみ可能になる▽近年、広告収入は激減の一途にあり、原因はデジタルプラットフォームが拡大し、広告市場を根底から覆してしまったことにある▽ローカルメディアはプラットフォームからニュースコンテンツに対する報酬を受け取っていないだけでなく、これらでアクセスされるようにするための対価を支払っている▽特定のプラットフォームが質や信憑性をほとんど考慮せずにニュースコンテンツを商品化している――などと指摘。JCPAが可決されれば、これらの懸念に対処することができると訴えた。