放送界の動きを中心に、行政や海外の動向もあわせ、1カ月の動きを日誌形式で記録します。
*2024年7月分を掲載。
【民放連】
7.18 2024年度第4回理事会開催。▷2024年度民放連予算の補正▷総務省「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会」報告書案に対する民放連意見▷改正放送法の施行に伴う省令改正案等への対応▷パリオリンピックのテレビセールス対応▷第72回民間放送全国大会のプログラム等――を承認。
7.19 総務省「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会」報告書(案)に対する意見を提出。▷情報のライフラインである基幹放送の役割を果たすため、民放事業者は割り当てられた電波を有効に利用していく、▷V2X通信システムの導入と周波数移行を進めるのであれば、移行先周波数や費用負担を含め、慎重かつ丁寧な検討が必要、▷無線LANの条件付き導入についてはスケジュールや結論ありきでなく、慎重かつ丁寧な検討が必要、▷小規模中継局等のブロードバンド等による代替を電波利用共益事務として実施することに賛成、▷電波利用料の総額抑制と無線局免許人の負担軽減を主張、▷1.2GHz/2.3GHz帯FPUの電波利用料の負担軽減を要望――などの内容。
7.25 民放連の本橋春紀常務理事事務局長、総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の第28回会合にオブザーバーとして出席。プラットフォーム上に違法アップロードされた民放由来のコンテンツに大手広告主の広告が表示されている事例や生成AI技術を悪用した民放コンテンツの改ざん事例などを示し、「インターネット上にはさまざまな課題があり、信頼できる情報や良質なコンテンツを提供する民間放送の経済的基盤が脅かされている。悪貨が良貨を駆逐する状況とも言える」と指摘。国や行政による違法コンテンツへの適切な対応やプラットフォーム事業者に一定のルール策定と履行を求める制度を要望した。
7.25 民放連研究所、会員社向けに「テレビの広告効果に関する研究」第3回調査報告会をオンラインで開催。翌26日に同調査結果を公表。
―― 民放連会員社(衛星系2社除く、計205社/2024年3月31日現在)の2023年度決算状況をまとめる。地上波の売上高総額は2兆1,435億円で前年(2022年度、以下同)比0.2%減、経常利益は1,132億円で前年比が14.7%減の減収減益に。衛星系は売上高が1,888億円で前年比1.1%増、経常利益が186億円で前年比3.3%増の増収増益。地上波の売上高の内訳は、ラジオ放送事業収入が1,017億円で前年比は2.0%減、テレビ放送事業収入は1兆7,273億円で前年比は2.0%減、その他事業収入は11.8%増だった。
【放送・マスメディア】
7.11 NHK、2024年度組織改正を発表。放送法改正を受け臨時職制として「インターネット必須業務化事務局」を8月1日付で設置する。
7.12 BPO・放送倫理検証委員会、テレビ東京が2023年3月28日に放送した『激録・警察密着24時‼』について、放送倫理違反の疑いがあるとして、審議入りを決めた。
7.17 TVer、パリオリンピック期間中(7月26日~8月11日、現地時間)の特設サイトを開設・公開した。NHKの地上波で放送する一部競技などを除き全試合同時・見逃し配信を実施するとともにテレビ中継がない競技も配信。毎日ハイライト映像も届ける。2008年に民放各局が開設し2023年3月末にサービスを終了した「gorin.jp」を一本化した。
7.22 日本テレビ、「日本テレビドラマ制作における指針」を公表。『セクシー田中さん』調査報告書(5月31日公表)をふまえ、「ドラマ制作プロセス改善推進チーム」を組成し、同指針を原則として、適切なドラマ制作プロセスを構築し、実践をはかる。
7.23 テレビ朝日、22時30分から24時までの間、機器の不具合によりCMが一時放送できなくなるトラブルが発生。一方BS朝日でも22時6分から24時までの間、CMと番組が一時放送できなかった。原因と思われる設備の調査を実施する。
7.26 パリオリンピックが始まる(~8月11日、現地時間)。民放テレビの中継は地上波5系列が日本選手の活躍が期待される注目種目の生中継を中心に長時間放送。民放BSは地上テレビで放送予定の一部の競技を4K映像で生中継する。
【行政・海外】
<行政等>
7.5 経産省が「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公表。生成AIのコンテンツ制作への利活用の可能性に着目し、コンテンツ制作に携わる産業界に向けて作成した。
7.9 総務省が「放送法施行規則の一部を改正する省令案等に関する意見募集」を発表。5月に成立したNHKのインターネット配信必須業務化に関する改正放送法の施行に必要な規定を整備するもので意見募集期間は7月10日から8月8日まで。
7.19 総務省が「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ(案)」についての意見募集を行う旨を発表。意見募集期間は7月20日から8月20日まで。
7.25 内閣府、7月25日からの大雨により秋田県・山形県の両県の市町村に災害救助法の適用を決定した。
<海外>
7.7 米メディア大手パラマウント・グローバル社と米映画製作大手スカイダンス・メディアが合併に合意したことを発表。
7.11 米Netflix、元TBSテレビプロデューサーの磯山晶氏との5年契約締結を発表。