沖縄県では、第二次世界大戦で日本軍の組織的戦闘が終結した1945年6月23日を「慰霊の日」と定め、県内各地で慰霊行事が行われる。終戦から80年目を迎える今年、慰霊の日前後に放送する沖縄県の民放テレビ・ラジオの関連番組などについて紹介する。
ラジオで伝える
エフエム沖縄(FM Okinawa)は、23日の『For PM』(16:00~17:20)で森山良子さん「さとうきび畑」フルコーラスを放送するほか、ラジオカーコーナー「泡盛残波ダウンタウンチェック」で沖縄タイムス社を訪問し、『沖縄戦記 鉄の暴風』(沖縄タイムス社編著)などの本を紹介する。『connect』(18:00~18:50、19:00~19:55)は平和につながる楽曲のオンエアを予定。『Radio dub』(20:00~20:55)では、沖縄全戦没者追悼式で朗読される「平和の詩」(伊良波小学校6年生城間一歩輝さん)を中心に、朗読部分とインタビューを取り上げる。
ラジオ沖縄は、23日の『ニュース・天気予報』(12:00~12:10)で、沖縄全戦没者追悼式の会場からリポートを行うほか、『華華天国』(14:30~16:35)で、県内の慰霊の日の催しなどを紹介し、パーソナリティの竹中知華アナウンサーが戦争関連本を朗読する。さらに6月は戦後80年企画を展開しており、『ユーグラデーションタイムチョイス!!』(16:55~18:15)内で「戦後80年企画 証言―戦世(いくさゆ)を忘れない」(月、17:15頃~5分程度)を放送し、23日は18歳で戦場に動員された渡口彦信さん(98歳)の証言を伝える。このほか、『~Enjoy Everyday~まいたの』(9:30~11:30)では毎週金曜日に「戦後80年企画 声のラブレター特別編」を展開し、沖縄戦について語り継ぐことに奮闘している方を取材。平和ガイドやワークショップの活動を伝えている。
琉球放送(RBCiラジオ)は、『RBCiラジオスペシャル』(土、18:00~19:00)で、6月中は毎回慰霊の日に関係する特集を組み、28日は沖縄県平和祈念資料館の2025年度「児童・生徒の平和メッセージ」企画で上位入賞した作文を児童・生徒本人による朗読で紹介する。23日は、『MUSIC SHOWER Plus+』(10:00~13:55)内で沖縄全戦没者追悼式の模様を中継するほか、『具志堅ストアー』(14:00~15:50)では番組パーソナリティによる戦争体験者へのインタビューを放送する。また、特別番組『あなたの623 慰霊の日に送る生放送』(16:00~16:50)をテレビと同時生放送する。
テレビで伝える
琉球放送(RBC)は、23日に特別番組『#あなたの623―生放送でおくる慰霊の日―』(15:30~16:50)をラジオと同時生放送する。戦争体験者は年々減少し、近い将来「体験者が語れなくなる時代」が現実のものとなる。こうした中、体験者やその子・孫・ひ孫の世代まで慰霊の日をどのように過ごしているのか、視聴者・リスナーからメッセージやエピソードを募集し、番組内で紹介する。また、「戦後80年 沖縄全戦没者追悼式」をRBCアプリや自社配信サイト「ryupot」(既報)でライブ配信する。
琉球朝日放送(QAB)は、23日に報道特別番組『たどる記憶つなぐ平和 ~戦後80年 慰霊の日~』(16:15~16:48)を生放送する。戦争を二度と繰り返してはいけない、と体験者たちは戦争の悲惨さや平和の尊さを伝え続けた。しかし、あの戦争から80年になる今、戦争体験者が減少し、戦争をどう語り継ぐかが課題となっている。今を生きる私たちは、沖縄戦にどう向き合うべきなのか、番組を通して考える。
沖縄テレビ(OTV)は、23日に『慰霊の日特別番組 戦世から80年つなぐ記憶』(15:45~16:50)を放送。戦争当時を生き、悲惨な戦争を二度と繰り返してはならない、とつらい記憶を語ってきた体験者は、80代後半から90代となった。なぜ沖縄が戦場になり、なぜ多くの住民が犠牲となったのか、歴史の検証は続けられている。沖縄テレビに残る体験者の証言映像と最新の歴史研究の知見を併せ、過去の教訓を未来に紡いでいく。