「onlineレビュー」は編集担当が気になった新刊書籍、映画、ライブ、ステージなどをいち早く読者のみなさんに共有すべく、評者の選定にもこだわったシリーズ企画です。今回は、12月27日まで東京・虎ノ門ヒルズで開催中の「MUUUSE(ミューズ):MUSIC MUSEUM~音に触れる、光を聞く。身体が反射する。~」を民放online記者が紹介します。
森ビル株式会社が運営する虎ノ門ヒルズの情報発信拠点「TOKYO NODE(東京ノード)」とJ-WAVEが共同で、「MUUUSE:MUSIC MUSEUM~音に触れる、光を聞く。身体が反射する。~」を、11月1日に"開幕"した。音の美術館という一見相反する概念に惹かれ、10月30日のプレス内覧会に参加した。
MUUUSEは、虎ノ門ヒルズステーションタワー45階の「TOKYO NODE」で開催。そこで迷わず東京メトロ日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅を目指した。同駅は2020年に開業したが、実は初めて下車する。2023年に完了した拡張工事で新たにできた「ステーションアトリウム(駅前広場)」経由で、今回の目的地に向かえるそう。地下2階の改札を出て、自然光が差し込む空間に吸い寄せられるように進めば、そこがステーションアトリウム。入ってすぐ真っ赤な巨大ラジカセ(=冒頭写真)が目に飛び込む。これも、MUUUSEが設置した展示の1つ。ラジカセから、J-WAVEナビゲーターのクリス・ペプラーさんによるMUUUSE限定ラジオが流れるなか、大きなカセットテープを入れればクリスマスミュージックを再生することもでき、遊び心にあふれている。
そもそもラジカセなるものも随分久しぶり、カセットテープをセットして音楽が流れて、それが体験としても楽しいだなんて......と感動していたが、まだMUUUSEにたどり着いていない。ここから、次に目指すのは45階ではなく、8階にあるTOKYO NODEエントランスだ。ここから直通のエレベーターに乗ることができる。地下2階から45階を直接目指そうとした筆者は迷いに迷ったので、ぜひ注意してもらいたい。
赤い色のライトに照らされた未来的なエレベーターに乗ればあっという間に、MUUUSEに到着。入口付近に掲示された「ごあいさつ」によれば、「本展では、音楽シーンを過去、現在、未来の大きく3つの展示室に分け、時空間を超えた音楽体験を提供します」とのことで、いよいよ入場。
<GALLERY A「自然の記憶」>
まず、迎え入れてくれるのがGALLERY A「自然の記憶」。プロジェクションマッピングと32.2chの立体音響で、水、大地、植物などさまざまな自然とその音が表現され、中央にある球体に手をかざすことで、変化が生まれる。地球の始まりのような太古の昔に思いを馳せながら、常に変化し続ける映像と音楽に、ゆったりとした気持ちに。床にはビーズクッションが置かれ、"リラックスして"と空間が訴えかけてくる。
すっかり整った状態から、会場を進んで行けば「ん、ライブしている?」と錯覚しそうな入口が見える。現在の音楽シーンを表現するGALLERY B「歌と感情」の展示だ。
<GALLERY B「歌と感情」 写真はTHE YELLOW MONKEYのライブ映像>
幅24m×高さ4.5mのLEDディスプレイでは、アーティスト6組の特別映像が上映される。ただの映像展示ではなく、シーンに合わせた照明の演出も加わり臨場感にあふれ、ライブ会場のよう。しかし、ライブ会場では絶対にありえない近さで音楽をイマーシブ体験できるのも魅力だ。6組のアーティストも、現代を表現するとあってロックバンドTHE YELLOW MONKEYや、ピアニスト角野隼斗、韓国発バーチャルアーティストのnævis (ナイビス)などバラエティに富むラインアップだ。
冒頭に「音の美術館という一見相反する概念に惹かれ」と書いたが、最後の展示GALLERY C「歌と感情」は、"音の鑑賞"が見事に成立したMUSIC MUSEUMだった。
<GALLERY C「未来への実践」>
音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」(水カン)のプロデューサー・ケンモチヒデフミとJ-WAVE『INNOVATION WORLD』(金、20:00~22:00)のナビゲーターとしてお馴染みの川田十夢がタッグを組んだ「木曜日のカンパネラ」が、水曜日の一日先の未来に拡張した楽曲を最先端の光演出とあわせて表現する展示が「未来への実践」だ。水カンの「エジソン」のメロディーが聞こえるが、歌詞も微妙に違うなど、あくまで「木曜日のカンパネラ」が。音楽にあわせて、株式会社カストが開発したファイバービームが、縦横無尽に動き、目でも音楽が楽しめる。ビームによって、曲線が描かれる演出は、未来を感じる水カンの音楽とマッチし、思わず踊り出したくなる。
そんなこんなで、非日常の音楽体験を楽しみ大満足で、案内に従い出口へ。訪れる人は、MUUUSEの掲げる「音に触れる、光を聞く。身体が反射する。」の意味を考えながら、体験してもらいたい。
(文中敬称略)
MUUUSE:MUSIC MUSEUM (※外部サイトに遷移します)
開催期間
2024年11月1日(金)〜2024年12月27日(金)
開催時間
10:00~20:00(最終入場19:30)
※イベント開催日や貸切日など、開館・閉館時間が異なる場合があります。
場所
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー TOKYO NODE 45F GALLERY A/B/C
料
<日時指定>
【平 日】一般/2,500円 大学生・専門学生/2,200円 高校生/1,800円 中学生・小学生/800円
【土日祝】一般/2,800円 大学生・専門学生/2,500円 高校生/2,000円 中学生・小学生/1,000円
※価格は全て税込です
主催
TOKYO NODE (森ビル株式会社) / 株式会社 J-WAVE
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