米アドエージ誌が10月21日、2021―22年テレビシーズンのCM料金調査の結果を公表した。4大ネットワークの番組のうち、シリーズ継続中の61番組のCM料金を、大手広告会社6社のデータを基に分析したもので、業界向けの指針として毎年実施している。これによると、配信が台頭する中、同シーズンのテレビのプライムタイムCM料金は総じて安定している。30秒CM枠の料金は前年比で、横ばいが21番組、値上げが19番組、値崩れしたのが21番組という結果だった。
番組別にみると、NBC「Sunday Night Football」が約81万ドル(4%増)、FOX「Thursday Night Football」が約64万ドル(2%増)と、NFLの試合中継2番組が他を大きく引き離して1、2位を独占。このほか、NBC「The Voice」(約24ドル)などの音楽オーディション番組が安定した料金を維持した。反してドラマは値崩れ傾向にある。トップ10番組を局別に見ると、NBCとABCが各4番組、FOXが2番組で、CBSは食い込むことができなかった。
アドエージ誌は、配信サービスで流れる広告がどのようにユーザーに受け止められているかに関する調査結果も公表。10月15~18日、米市場調査会社The Harris Pollに委託して全米の18歳以上の約1,000人を対象に調べたもの。その結果、88%が「同じCMが、見たくない時に何度も繰り返し流れる」と回答。ピーコックやHBO MaxなどのAVODサービスは最小限のCM量をうたっているが、それでも1時間に約5分入る。ユーザー感覚では、それが不満ということだ。さらに、「番組が始まる前にまとめてCMを見たい。途中で中断されたくない」との意見が多かった。途中で流れるCMは見ないとの声もあり、アドエージ誌は、CMのタイミングをユーザーが選べるようにした方が宣伝効果も上がるのではないかと分析している。