米MLBワールドシリーズ  FOXは記録的な視聴者数に 大谷フィーバーも一役

編集広報部
米MLBワールドシリーズ  FOXは記録的な視聴者数に 大谷フィーバーも一役

今年の米MLB(メジャーリーグベースボール)の最終決戦「ワールドシリーズ」。大谷翔平選手らの活躍で日本でも注目を集めたが、米国内の視聴者数も記録的だった。ニューヨークとロサンゼルスをそれぞれ本拠とするヤンキースとドジャースが同シリーズで対戦するのは1981年以来43年ぶり。結果はドジャースがヤンキースを4勝1敗で下した(冒頭画像はMLBの公式サイトから)。大谷選手をはじめ両チームともスター選手が目白押しだったこともあり、米国内での注目度も近年になく高まった。

10月25~30日(現地時間)の計5試合を米国で独占中継したのはFOX。地上波FOX、同スペイン語スポーツチャンネルFox Deportes、配信のFuboTV、Fox Sportsアプリ、FoxSports.comで生中継・配信した。FOXの発表によると、米国内の視聴者数は5試合平均で1,580万人(全プラットフォーム計)。前年のアリゾナ・ダイヤモンドバックス対テキサス・レンジャースのワールドシリーズが平均911万人と低調だっただけに、一気に67%増えた。

ドジャースの大谷翔平、山本由伸両選手の活躍が期待されたこともあり、日本の放送局もフジテレビとNHK BSが生中継し、全国で5,656万人が計5試合のうちいずれかをリアルタイムで視聴した(ビデオリサーチ推計)。日本の熱狂ぶりは現地でも大きく報じられ、FOXは初戦と山本投手が先発し勝利を収めた第2戦中継の合間に東京・渋谷のバーで観戦するファンの様子を何度も挟み込んだ。

大谷やアーロン・ジャッジなど大スターの存在だけでなく、ピッチャーの投球までの時間制限など一部のルールも変更されたため、試合時間がやや短くなり見やすくなったことが若者を惹きつけたとの見方もある。FOXが2022年夏のMLBオールスター中継で導入した、ホームベースの主審視点による「アンプ・ビュー・カメラ」を改良するなどの工夫も視聴者の注目を取り戻すことに貢献しているようだ。

配信サービスの台頭でケーブル視聴者が減り、NFL(アメリカンフットボール)の圧倒的な人気にも押されていた近年のMLB。今回の熱狂ぶりが人気復調の弾みとなるか期待される。

最新記事