【2021年日本民間放送連盟賞 最優秀受賞のことば(テレビドラマ)】福島中央テレビ  浜の朝日の嘘つきどもと

菅澤 大一郎
【2021年日本民間放送連盟賞 最優秀受賞のことば(テレビドラマ)】福島中央テレビ  浜の朝日の嘘つきどもと

このたびは大変栄誉ある賞を頂き、この上ない光栄であるとともに深く感謝いたします。「浜の朝日の嘘つきどもと」は開局50周年記念作品として制作しました。コロナ禍により、さまざまな周年イベントを中止せざるを得なかった中での最大の喜びとなりました。

さかのぼること5年、開局45周年の際に福島県内民放テレビとしては初のオリジナルドラマを制作。それがタナダユキ監督と共に制作した「タチアオイの咲く頃に~会津の結婚」でした。このドラマは2017年に本賞の優秀を頂いたのですが、弊社のような規模の放送局ではドラマ制作の全てが初めてのことばかりで、大変な苦労をした思い出が遠い昔のようです。その経験を普段の番組作りに積極的に活かし、数多くの自社制作番組をドラマの手法を用いて作り続けてきたチカラが、集大成として本作に注がれたと感じています。

本作は、東日本大震災からの10年間に、地元のテレビ局として取材してきた中で実際に経験した絶望と希望、怒りと感謝、喜びと悲しみ、さまざまな喜怒哀楽のエピソードで構成する物語です。1時間のドラマと2時間の映画という別の物語を同時に撮影しました。震災から10年が経ちましたが、風評被害をはじめ、福島の震災は終わっていません。諦めなければいけない事もたくさんあるし、くじけそうになる時もあるけれど、それでもこの街で生きている。そんな福島の人たちと共に今回の受賞の喜びを分かち合いたいと思います。


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