2023年秋のローカルテレビ改編(プライム・深夜帯) 地元の「人」に焦点/多様な魅力の引き出し方

編集広報部
2023年秋のローカルテレビ改編(プライム・深夜帯) 地元の「人」に焦点/多様な魅力の引き出し方

民放onlineは今秋のローカル新番組について、地上民放テレビ127社にアンケートを行った。この回答から今回はプライム・深夜帯の番組を紹介する。地元のスポーツチームや高校の部活動を応援する番組や、地域の人やものを深掘りする事例が見られた。

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交流から生まれる物語

地元の人との交流を描く番組が並んだ。「もっとジモト」をテーマに改編を行ったCBCテレビは、11年ぶりとなるゴールデンタイムのローカルレギュラー番組『太田×石井のデララバ』(水、19・00―20・00)をスタート。地元の誰もが知る定番の店を深掘りする情報バラエティで、番組スタッフが店に長期密着し、その店を愛している客"デララバさん"から貴重な情報を聞き出す。これまでに「Coco壱番屋」(=冒頭写真)や「世界の山ちゃん」などの飲食店にフォーカスし、知られざる秘話やデララバさんの思いに迫った。尾田真一プロデューサーは今後について「番組サイトで名古屋めしを紹介したり、リアルイベントを開くなど、さまざまな角度から番組と視聴者とのつながりを強めていきたい」と期待している。

テレビ長崎は芸能事務所アミューズと『PUSH MAN~長崎で推しを見つけてみた件~』(第2・3木、24・30―25・03)を共同制作。アミューズで新人開発を担当するスカウトマンの大橋良行が長崎で次なるスターを発掘する。長崎の街を紹介しながら、発掘した人材の個性や特技、魅力を伝える。メディア推進局コンテンツ制作部の仁田智勇氏は「プロが自らの足を使ってタレントを発掘する番組はかつてない試みだ。希望をもって番組づくりにまい進していきたい」とコメントした。

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<テレビ長崎『PUSH MAN~』>

山梨放送『神出鬼没 カンパイ山梨』(土、25・10―25・25)は、お笑いコンビの鬼越トマホークがビールサーバーを担いで地域の人々と交流する番組。岐阜放送『甘党男子のシュガースポット』(水、23・55―24・10)ではアイドルグループの甘党男子がお菓子を配りながら、地元の文化や魅力を発信する。山陰放送は、アーティストのTOOBOEが縁もゆかりもない山陰の魅力を発掘する『マドギワ~BSS山陰放送 営業零課~』をスタートした。

アスリートや高校生を応援

地元のスポーツチームを応援する番組も。長崎国際テレビはサッカークラブ「V・ファーレン長崎」とバスケットボールチーム「長崎ヴェルカ」の、試合では見えない裏側に迫るスポーツドキュメンタリー『密着V・ファーレン長崎×GO!VELCA』(金、25・59―26・24)をスタートした。選手や監督、経営陣の思いなどを描いており、香月ゆみ・営業編成局次長は「チームのファンにとって見ごたえのある内容を届ける」と意気込む。また、土曜午前には両チームの魅力を発信する『Vタイムズ』(9・25―10・00)を編成し、今までスポーツ観戦をしたことがない人に向けた訴求を目指す。

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<長崎国際テレビ『密着V・ファーレン長崎×GO!VELCA』>

今年から「スポーツ応援宣言」を掲げている東日本放送は2つの新番組を組んだ。火曜にはバスケットボールチーム「仙台89ERS」を応援する『GO!GO!89ERS』(23・10―23・15)で、試合のハイライトを通じてチームや選手の情報を伝える。水曜には女子サッカーチーム「マイナビ仙台レディース」の応援番組『WE LOVE MYNAVI SENDAI』(23・10―23・15)を放送。視聴者にチームへの親近感を持ってもらえる演出を心がけ、選手の素顔を紹介する際にはチームメートのインタビューによって自然な表情を引き出す。

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<東日本放送『WE LOVE MYNAVI SENDAI』>

北海道放送はサッカーチーム「北海道コンサドーレ札幌」を応援するミニ番組『コンサドーレイズム』(月、23・56―23・59)を、熊本県民テレビは県内のスポーツマンにフォーカスする『未来クル!アスリート』(土、20・54―21・00)をそれぞれスタートした。また、これまで『スーパーチャンプル』(2006―09年)などのダンス番組を放送してきた中京テレビは『Travis Japanのダンスだぜ!!』(金、24・59―25・29)を編成。新潟テレビ21のミニ番組『夢のスタート』(火、11・10―11・15)では、県内の高校の部活動に焦点を当て、活動内容や頑張っている部員を紹介する。

ドラマ制作に注力

テレビ神奈川など複数のテレビ局で共同制作するドラマ『おいしい給食』のシーズン3が開始した。1980年代の中学校を舞台に、"給食マニア"の教師と生徒による"闘い"を描いた同ドラマ。今回は舞台を北海道の函館に移し、北海道ならではの献立や食材を取り上げる。シーズンを重ねるごとに視聴者が増えており、前作の劇場版では全国で10万人の動員を達成。担当者は「『食ドラ』シリーズとしての地位を確実なものにした」と手応えを明かす。

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<『おいしい給食 season3』>

テレビ西日本はショートドラマ『ハジメとケンとセツ』(月、21・54―22・00)を開始。元ネタは、一建設の社名をもじった「ハジメ」「ケン」「セツ」の3つの台詞で終わるウェブCM。CMの担当者から「新しい宣伝施策を」との相談を受け、ミニ枠ドラマの制作に至ったという。スピード感を実写でも表現するため、前半は"連続静止画"にナレーションを当てる形で構成。本編は2分と短いが、毎回ストーリーが次々と展開されるショートドラマとなっている。

<テレビ西日本『ハジメとケンとセツ』>

在京キー局を中心にドラマ枠の新設が見られるが、在阪局でも、読売テレビは木曜深夜に「ドラマDiVE」(24・54―25・24)を、テレビ大阪は水曜深夜に「DRAMA ADDICT」(24・00―24・30)を新たにスタートした。

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