2023年米国広告支出動向の予測 テレビ広告支出大きく減るも 増えるOTT広告支出

編集広報部

バージニア州のマーケティング会社ボレル・アソシエーツ社がこのほど、2023年米国広告支出動向の予測を発表した。地上波のローカルテレビ広告支出は前年比で18%減に、逆にOTT広告支出は12.8%増と見込まれている。

この広告支出動向の予測は、ローカルテレビ、ケーブルテレビ、新聞、ラジオ、デジタルオーディオ、映画館、野外、動画配信/OTTなど17のメディア分野に分けて算出した。それによると、前年比の減少率が最も高いのが地上波ローカルテレビの18%減で、以下、新聞(7.1%減)、ケーブルテレビ(4.6%減)、ラジオ(2.0%減)などが減少。逆に最も増加率が高いのがOTT12.8%増で、デジタルオーディオ(10.4%増)、ターゲットバナー(SNSなど)(10.1%増)などが続いた。

ただし、ローカルテレビへの支出予測についてボレル・アソシエーツ社は解説をいくつか加えている。まず、減少率は高くても、テレビという媒体はアナログ分野での広告支出額でトップであることに変わりはないこと。また、18%減の予測には、全米ネットやシンジケートテレビへの広告支出分は含まれず、それらを加算した場合の減少率は12%程度にとどまること。さらに、18%減というのは全米のローカルテレビ全体として捉えたもので、実際には市場によって大きく異なる。ミズーリ州ルビドーではローカルケーブル局への広告支出は7.3%増の予測で、カリフォルニア州サンノゼでは10.3%減といった具合だ。

今年の米広告市場の不振は、世界経済の低迷を反映したものであり、今後もしばらく継続する見通し。広告指標スタンダード・メディア・インデックス(SMI)も、ボレル・アソシエーツ社と類似した調査結果を出しており、広告費削減の矛先は主に全米テレビ局だと指摘している。

こうした調査結果を受け、ローカルテレビ局は今こそ独自のFAST(広告付き無料配信)チャンネルの構築を検討すべきという声も上がっている。

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