在京ラジオ社 2024年秋の改編 周年に合わせた番組・イベントがめじろ押し

編集広報部
在京ラジオ社 2024年秋の改編 周年に合わせた番組・イベントがめじろ押し

在京ラジオ各社の10月新番組が始まった。各社、配信を含めた番組展開、イベント開催を通じて聴取者との接点づくりを積極的に取り組む。

J-WAVEは月~木22時台を大幅にリニューアルし、注目を集める。これまで8年にわたって東京のミュージックシーンをリードしてきた音楽情報番組『SONAR MUSIC』が惜しまれつつ終了。新たに始まったのが『GURU GURU!』(=冒頭写真、月~木、22:00~24:00)だ。月曜=加賀翔さん(かが屋)、火曜=ダウ90000、水曜=福留光帆さん・前田裕太さん(ティモンディ)、木曜=エバース――これから活躍が期待される若手のお笑い芸人やタレント、コントユニットなどが日替わりでナビゲーターを務める。
「常識や大きな声にとらわれず、あえて"逆"の視点で物事を考える"逆転ラジオ"」がコンセプト。「お金があれば幸せになれますか?」「交際0日婚はアリ?ナシ?」など日替わりでテーマを設け、リスナーや街の声、ゲストも交えてトークを繰り広げる。1回目の10月1日は「面白いラジオって?」「ラジオを聴く理由」のお題でラジオそのものを考えた。人によってさまざまな答えがある問いに向き合うことで、発想力や柔軟性を育くんでもらおうという狙いも。「SNSでの炎上などで自分の意見を表明することを警戒しがちな若者たちに、異なる意見や多様な考え方に触れてもらうことで、"安心して発言しても大丈夫"ということを提示したい」と塩田真人・マーケティングデザイン部長。これまでJ-WAVEになじみの薄かったリスナー層を取り込みながら、番組内の選曲や注目のミュージシャンによるコーナー企画など「J-WAVEらしさ」にもこだわりながら、"新たな風"を起こしていくという。

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<文化放送の新番組『オトナのホンネ』>

「オトナのホンネ 文化放送」をキャッチコピーとして春に大幅な改編を行った文化放送は、リスナーの知的好奇心にさらに応え、深掘りする番組を組んだ。『おつかれさま』(火~金、17:45~18:45)はトーク&ミュージックプログラムでリクエスト楽曲のほか、「箱根駅伝への道」「ライオンズ・エクスプレス」などのスポーツコーナーも届ける。『オトナのホンネ』(火・水、19:00~21:00)では、水谷加奈アナウンサー担当の火曜日はオトナ世代がいま気になる「事柄」をリスナーとともに掘り下げる。水曜日は鈴木純子アナウンサーが担当し、オトナ世代がときめく楽曲をリスナーから寄せられたエピソードとともに紹介する。柿澤真理子・コンテンツ局編成部長は、「リスナーの毎日に寄り添う放送を意識していきたい」と話す。また、A&G(アニメ&ゲーム)コンテンツは、声優やゲーム配信者の新番組を増枠して拡充。特に木曜日は、『稜海しました!超特急QR』(19:00~19:30)、『本当の本当に女研ラジオ』(19:30~20:00)、『レコメン!G MSSPは一見さんお断り?!』(20:00~20:30)、『レコメン!G ドズル社放送局』(20:30~21:00)と新番組が並んだ。これらはオリジナルプラットフォーム「QloveR」での配信展開も行う。

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<interfmの『THE GUY PERRYMAN SHOW』がベルト編成に>

interfmは、金曜日の7時からの放送としておなじみの『THE GUY PERRYMAN SHOW』を新たに月から金曜日の7時~8時50分にベルト編成。DJ・Guyによる厳選された音楽やニュースに加え、首都圏で暮らす外国人に寄り添う生活情報、イベント情報を英語で発信する。砂井博文・コンテンツビジネスユニット統括は「この夏、南海トラフ地震臨時情報についても、英語・中国語・韓国語・ウクライナ語など7カ国語で放送した。あらためて日本で日ごろから英語で発信するラジオの存在が大事だと思い、生活情報を英語で発信する『THE GUY PERRYMAN SHOW』をベルト編成した」と平時から英語話者に寄り添う番組の意義を語る。
また、『船ヶ山哲 猫のラジオ』(木、18:40~18:55)がスタート。人生を猫に救われた経験を持ち、俳優や歌手として活躍する船ヶ山哲さんがパーソナリティを務め、愛猫家のゲストを迎え、猫談議に花を咲かせるまさに猫好きのための15分をお送りする。

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<ラジオNIKKEIで初の冠ラジオ『前田公輝のヒラケテヒラク』>

8月に開局70年を迎えたラジオNIKKEIは、新しい聴取者との出会いを広げることを目的に、新番組をこの秋立ち上げた。俳優の前田公輝さんの初の冠ラジオ『前田公輝のヒラケテヒラク』(第1、水、22:30~23:00)は、DMMオンラインサロンで活躍中の著名人を中心にさまざまなゲストを迎えてトークを行う。また、今年3月にリリースしたスマートフォン・アプリ 「Biz Podcast byラジオNIKKEI」内などで配信中の『ひげおぢと考えるDX』などを試し聴きできる『From Biz Podcast』(第1、水、17:00~17:20)も始まった。
J-WAVEとラジオNIKKEIのコラボレーションYOUTUBEチャンネル「TOKYO INSIGHT」が5月からスタートし、番組を配信中だ(番組はポッドキャストとしても配信中)。その中から『WEEKLY NEWS BRUNCH』(第1、月、17:00~17:30)が放送にも登場し、注目のニュースをウイークリーランキング形式で紹介する。さらに、ラジオNIKKEI 70周年プロジェクトとして『RaNi Music♪』(第2、月、8:30~19:00、火~金 8:01~19:00/第1、月~金、9:30~19:50、21:00~21:30)が、初めてキャンペーン「あなたの音楽祭~大切な1曲教えてください」を行い、アンバサダーとしてムード歌謡コーラスグループ「純烈」が就任。年末の特番に向けキャンペーンを展開していく。幡野裕樹・編成部長は、「聴きごごちの良いステーションとして多くのリスナーから支持される『RaNi Music♪』が、リスナーと接点を持つ初めてのキャンペーンを実施したい」と意気込みを語る。

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<ニッポン放送『泉房穂の情熱ラジオ』がスタート>

ニッポン放送はナイターオフの番組編成。『鶴光の噂のゴールデンリクエスト』(火、18:00~21:00、水・木、18:00~20:00)、『モヤモヤ解決!ゲッターズ飯田 ラジオで占いまSHOW』(水、20:00~21:00)、『ニッポン放送ショウアップナイタースペシャル ラジオペナントレース』(土、17:50~19:00)など、ナイターオフならではの番組が復活する。また、『泉房穂の情熱ラジオ』(金、18:00~20:00)がスタート。番組は、ラジオパーソナリティが夢だったという前明石市長の泉房穂さんが、時事ニュースからリスナーのお悩みまで、情熱たっぷりに応えていく。
また、新番組『ニッポン放送開局70周年記念 NEXT STAGEへの提言Ⅱ』(木、20:00~21:00)も開始。日本を代表する著名人たちが週替わりで登場し、「次世代・NEXT STAGE」への提言を発信する。木之本尚輝・コンテンツプランニング部長は「ニッポン放送にとって貴重なアーカイブとなるコンテンツでもあり、レジェンドたちの今の言葉をお伝えしたい」と語る。『オールナイトニッポン0(ZERO)』(27:00~28:00)の月曜日は10月から月替わりパーソナリティが担当する。11月1日からは、「第50回ラジオ・チャリティー・ミュージックソン」のキャンペーン期間に入り、クリスマスイブの正午から24時間生放送の特別番組が放送される。

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<『G-SHOCK presents THE MOMENT』がTOKYO FMでスタート>

新世代リスナーの獲得のためのキャスティング強化を意識するTOKYO FM。楽曲「はいよろこんで」の総再生回数が100億回を突破した音楽・映像クリエイターである、こっちのけんとさんがパーソナリティを務める『G-SHOCK presents THE MOMENT』(金、17:00~17:25)がスタートした。ゲストを招いて、人生を変えた瞬間"モーメント"を聞いていく。さらに、10月にメジャーデビューを果たした歌い手の吉乃さんの『吉乃のよちよち放送局』(火、21:30~21:55)や4人組ゲーム実況グループ・ナポリの男たちによる『ナポリの男たちα(アルファ)』(土、25:30~26:00)も始めた。10代向けワイド番組『SCHOOL OF LOCK!』(月~金、22:00~23:55〔金、~22:55〕)では、Gacharic Spinのアンジェリーナ1/3さんが教頭に就任。"アンジー教頭"として水~金曜日にレギュラー出演する。宮野潤一・編成制作局次長兼編成部長は「若年層に支持されている方々を迎えた」と語る。また、来年4月に開局55周年を迎えることから、"伝統"も意識。今年3月まで35年にわたり放送された『トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ』でパーソナリティを務めた田中美登里さんによる『ミドリノラジオ』(土、28:30~29:00)は、ジャンル無用の音楽番組で、TOKYO FMやFM放送の歴史も紐解いていく。

秋改編写真.jpg<11月11日に放送9,000回を迎え、番組初のイベントを開く『森本毅郎・スタンバイ!』>

番組の周年記念などが多いTBSラジオはイベントに力を入れる。今年、放送35年目に突入した『森本毅郎・スタンバイ!』(月~金、6:30~8:30)が11月11日に放送9,000回を迎えることを記念して、同番組初のイベントを11月28日に開催する。パーソナリティの森本さん、遠藤泰子さんをはじめ同番組の日替わりコメンテーターのほか、スペシャルゲストに大沢悠里さんが出演する。詳細は特設サイト(外部のサイトに遷移します)で確認できる。
また、若手芸人発掘番組『マイナビLaughter Night』(金、24:00~25:00)が放送10年目を記念してイベント「マイナビ Laughter Night GRAND STAGE」を開く。同番組で毎月行う「オンエア争奪ライブ」で選ばれた「グランドチャンピオン」(注)の初代から第9代までの歴代グランドチャンピオンが集結するスペシャルライブを10月19日に、さらに2023年12月から2024年10月までの月間チャンピオン全11組が出場し新たな「グランドチャンピオン」を決める「マイナビ Laughter Night 第10回チャンピオンLIVE」を11月9日に開く。
ポッドキャストへの注力も続けており、新たなコンテンツを投入している。10月7日から配信をスタートした『pecoとJESSICA』は、タレント、ブランドプロデューサーのpecoさんとTikTokやYouTubeで活動するクリエイターユニット「午前0時のプリンセス」のメンバーで、ダンサー、クリエイターのJESSICAさんが出演。1995年生まれのふたりが等身大で語り合う。加藤哲康・執行役員総合戦略局長は「若い女性に興味を持ってもらい、彼女たちにTBSラジオのプレゼンスを高めたい」と狙いを話す。
(注)約30組がネタを披露し、月間チャンピオンを決定。さらに年に一度、月間チャンピオンが一同に集い、ネタを披露し観客投票によって選ばれた1組が「グランドチャンピオン」になる。

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