放送界の動きを中心に、行政や海外の動向もあわせ、1カ月の動きを日誌形式で記録します。
*2025年12月分を掲載。
【民放連】
12.3 民放連研究所、「2025年度ローカル民放経営セミナー」をオンライン形式で開催。基調講演は福士千恵子・テレビ岩手社長が「<多元化>と<多様化> 人口減にあらがいローカルの価値を取り戻すために」と題し、エリアの人口減少・流出が続く中、交流人口と関係人口を増やすために越境イベントを展開するなど「地域メディアの多元性を維持することが地域の豊かさ、社会の基礎をつくる」と説いた。パネルディスカッション「外から見たローカル局、実際に中から見るローカル局経営」はキー局出身の4人の社長とモデレーターの内山隆・青山学院大学教授が登壇、意見交換を行った。
12.11 「周波数割当計画の一部を変更する告示案等」に対する意見を総務省に提出。▶周波数の使用期限を規定することはやむを得ない▶放送事業者は特定周波数変更対策の円滑な実施に協力するが、放送事業者の工夫や努力だけで解決できない理由によりスケジュール通りに進まない可能性を否定できない▶既存無線局の免許人の責によらない事由等には柔軟に対応する用意がある旨を示し、必要に応じ例外的な期限延長等を認めるよう強く要望――など。
12.12 「第2回ガバナンス対応に関する全社説明会」を開催。総務省「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会」の取りまとめ案や民放連意見案の内容を説明したほか、「民間放送ガバナンス指針」の適用に関するガイダンス案や重大なガバナンス不全事案発生時の作業フローなどを説明。
12.18 2025年度第4回臨時総会を開催。会員各社のコーポレート・ガバナンスの確保に資する事業を行うことを明確にするための定款の一部変更を承認。
12.18 2025年度第6回理事会を開催。▶総務省「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会」取りまとめ案に対する民放連意見▶生成AIからの民放コンテンツの保護に関する対応▶知的財産推進計画2026の策定に向けた意見募集への対応――を承認。
12.18 早河洋会長が定例記者会見。フジテレビの出演タレントと女性に関する一連の事案をめぐり、民放連として▶「人権尊重・コンプライアンス等特別委員会」や「ジェンダー平等推進プロジェクト」などを設置▶民間放送のコーポレート・ガバナンス強化策の取りまとめ▶各局の具体的な取り組みに役立つ指針の策定や定款変更▶「ガバナンス検証審議会」の設置などを進めた旨を説明。
12.18 総務省「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会」取りまとめ案に対する意見を総務省に提出。本提言を一定の参考に各民放事業者や民放連が適切なガバナンスの確保に関する取り組みを自主自律の下で進めることが求められているとの考えを明らかにしたうえで、▶重大事案が発生した際の対応について放送事業者、民放連が必要な対応を取るのが基本であり、行政のかかわりは必要最小限にとどめるべき▶適切なガバナンスの確保は、各民放事業者が自らの責任で取り組むべきもので、民放連がフォローアップの取り組みに参画する場合は、「一義的には自主自律の下で、実効性のある取組を推進するべき」との本取りまとめ案の精神を最大限尊重した枠組みであることが前提――などと指摘。
【放送・マスメディア】
12.1 radikoがサービス本開始から15周年を記念し都内で記者会見を開催。radikoの池田卓生社長がキャッチコピー「Find Your Voice」を発表。続いて、15周年PR大使に就任した爆笑問題の太田光さんと15周年ブランドムービー『あの頃と今』に出演する俳優・木戸大聖さん、音楽を担当したSaucy Dogの石原慎也さんらも登壇し、ラジオパーソナリティの秀島史香さん司会のもと、楽曲制作の裏側やラジオ愛のほか、radikoの楽しみ方――などを語った。
12.5 NHKと民放各局の代表者らによる「中継局共同利用推進全国協議会」の第4回会合を開催。中継局の共同利用計画を新たな枠組みで進めていくことを基本合意した。
12.8 NHK経営委員会、次期会長に井上樹彦副会長を任命することを決定。任期は2026年1月25日から3年間。稲葉延雄会長は同年1月24日付で退任する。
12.11 日本新聞協会、人工知能(AI)関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針案に対する意見を内閣府に提出。AIが学習するために使用したデータの透明性確保は重要としたうえで実効的な対応を促すよう求めた。
12.23 日本新聞協会が「知的財産推進計画2026」の策定に向けた意見を内閣府に提出。生成AIによる報道コンテンツの無断利用が深刻化する一方で知的財産権の保護が十分ではないと指摘。AI時代に即した法整備が必要だとし、権利者がデータ提供を拒否できるオプトアウト規定の拡充やデータの透明性確保などを求めた。
12.24 東海テレビ放送、一部週刊誌が報じた小島浩資会長のセクハラ疑惑をめぐる問題で外部有識者による調査委員会の『調査報告書』(同22日付)を公表。同報告書の内容を真摯に受け止め、小島会長の辞任(同23日付)と林泰敬社長の月額報酬20%を3カ月間自主返納するとした。林社長は記者会見で同氏のセクハラ行為はなかったとした一方で、「写真を撮られるような行動自体が経営者として極めて不適切」などとして陳謝。
12.25 TBSホールディングス、コンプライアンス担当で常務取締役の井田重利氏の同日付での辞任を発表。12月上旬の内部通報をきっかけに外部専門家の協力を得て調査し、交際費の不正な精算申請(2022年6月~2025年12月に180件、計約660万円)が判明した。同氏は不正を認めて自ら返金の意向を示す。
【行政・海外】
<行政等>
12.9 内閣府と気象庁、午前2時に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表。8日午後11時15分ごろに青森県東方沖で発生した地震の震源位置や規模を精査した結果、国の基本計画等に定められている後発地震への注意を促す基準を満たしているとし、2022年12月の運用開始以降、初めての発表(その後、16日午前0時に特別な注意の呼び掛けを終了)。
12.10 公正取引委員会、放送業等や広告業等の事業者に対し集中的にフリーランス法に関する調査を行った結果、2025年10月までに128事業者に是正を求めて指導したと発表。
12.16 経済産業省、コンテンツ産業成長投資支援事業として2025年度補正予算案に350億円を計上。日本のコンテンツの海外売上を2033年までに20兆円へ拡大するという国家目標を掲げた。
12.19 政府の人工知能戦略本部、「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」を決定。AIの信頼性向上に向けて事業者は透明性を適切に確保するよう考慮すべきだとし、公正な競争の促進にも貢献するよう求めた。
12.23 政府、「人工知能基本計画(AI基本計画)」を閣議決定。日本の文化や習慣などを踏まえた信頼できるAIを開発し、自律性を確保するため、質の高い日本語データの整備や拡充などに取り組む。
12.24 東京高等裁判所、エフエム東京が2019年度に発覚した不適切な会計処理等の問題で当時の経営トップ役員4人に約4億8,230万円を連帯して支払うよう求めた訴えに対し、4人に法令違反および善管注意義務違反があったとして約2億8,760万円の損害賠償請求を認める。
<海外>
12.10 オーストラリアで16歳未満のSNS利用禁止法が施行。国家レベルでの規制は世界初。同法の措置を講じない場合、YouTube・Facebook・Instagram・X・TikTok・Snapchat・Redditなどのソーシャルメディアプラットフォーム企業には最大4,950万豪ドルの罰金が科される。ただし、メッセージングアプリやオンラインゲーム、健康・教育サービスは適用を除外する。
12.11 米DisneyがOpenAIと提携。Disneyは10億㌦を出資し、OpenAIが開発した動画生成AIアプリ「Sora」で初めての大手コンテンツ・ライセンス提供企業となる。
12.17 米映画芸術科学アカデミー、主催する米アカデミー賞授賞式のグローバルでの独占配信を2029年から2033年までの5年間、YouTubeと契約したと発表。これにより米ABCでの中継は2028年で終了する。