【2026衆院選報道】テレビ東京 「経済とマーケット」に徹底的にフォーカス "ポスト池上無双"探る

山腰 克也
【2026衆院選報道】テレビ東京 「経済とマーケット」に徹底的にフォーカス "ポスト池上無双"探る

異例の選挙戦に得意分野で勝負

今回のテレビ東京(以下、テレ東)の衆院選報道は、2025年の参院選に続く挑戦の連続だった。時の総理が高い支持率を背景に自らの信を国民に問う異例の選挙戦。前回は思い切って事前報道にかじを切り、投開票日の特番は最小限にする変則構成としたが、今回の視聴者の選挙への関心は前回の比ではなく、当日報道の充実も欠かせないと判断。2024年の衆院選以来の3時間半におよぶ特番を組むことにした。

ただ各局とも力を入れる中、選挙特番を支えてきた"無双"、池上彰氏が不在のテレ東は何を伝えるのか。結論は「経済とマーケット」に徹底的にフォーカスする新たな選挙報道だった。折しも総理の発言一つで株価が左右される「高市相場」。株価のみならず、円安は生活を直撃し、果てには長期金利の上昇にまで国民の関心が向かう異例の事態を踏まえ、あらためて得意分野で勝負することにした。

ネットや地上波で「投票行動に役立つ情報提供」

事前報道では前回掲げた「投票行動に役立つ情報提供」に徹した。テレ東の経済メディア「テレ東BIZ」では公示日前から「毎日選挙サテライト」を展開。エコノミストやアナリストから、選挙ウォッチャーまで多彩なゲストを招き、毎日午後7時ごろから配信し、選挙情勢や各党の経済政策を分析、マーケットへの影響などを解説した。

投開票日前日には地上波で2時間の事前特番を組んだ。目玉は主要11政党のトップ・キーパーソンへの"生直撃"だ。生放送中にネット会議ツールを駆使してスタジオとつなぎ、最終盤の選挙戦のリアルを伝えた。

「つながったから次はこっち!」「いまこっちが落ちたから別の人とつないで!」
綱渡りの中継リレーは、これぞ生放送という緊張感と活気に満ちていた。各党トップが軒並み出演する中、高市総理が出演しなかったことがネットをざわつかせた。

市場関係者の目線で政党幹部に切り込む

投開票日当日の特番では、朝の経済番組『Newsモーニングサテライト』に出演する専門家の意見を集約するインフラをフル活用し、市場関係者の目線で政党幹部に切り込んだ。片山さつき財務相をスタジオに迎えたのも大きかった。

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<選挙特番『選挙サテライト2026〜"サナエノミクス"に審判!?~』に出演する片山さつき財務相>

「日米でのレートチェックが先月あったと言われますが......」スタジオとつないだ証券会社のディーリングルームで市場関係者がこう切り出したときの片山氏の表情。ふだんはいかなる質問にも動じずに答える片山氏が一瞬目を見張るシーンは、生ならではだった。片山氏は地上波特番終了後の配信版にも続けて出演。多くの視聴を得た。

きわめて短い期間で準備し、試行錯誤の連続だった今回。視聴率などではまだおよぶべくもないが、"ポスト無双"時代のテレ東選挙報道のヒントは垣間見えたと感じている。


テレビ東京 報道局次長
山腰 克也(やまごし・かつや)

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