世界3大広告会社のマグナ、ゼニス、グループМが2021年広告費の最終予測と22年の展望を発表した。各社の予測値に差はあるが、3社とも21年の米広告費はデジタル広告が牽引して記録的な回復を見せたとの見解。22年は中間選挙や北京冬季オリンピック、FIFAワールドカップにより、広告市場のさらなる伸びが予想される。
米広告費
21年の総広告費について、マグナは前年比約25%増の2,843億ドル、ゼニスは同18.6%増の2,852億ドルとそれぞれ推定。グループМは同22.7%増と予測し、大統領選挙年だった20年の政治広告を除いて比較した場合は28%以上のプラスになるとした。
特に顕著な伸びを示したのがデジタル広告で、3社とも21年度は全体の6割程度を占めるとみている。マグナによると、ソーシャルメディアの広告費は全体の5分の1の588億ドル(36%増)に上る。既存メディアをみると、マグナは21年のネットワークテレビとケーブルテレビを7%増の399億ドル、ローカルテレビおよびビデオ広告費は3%減の199億ドル。ゼニスはテレビ広告全体で624億ドルと推計した。
22年の総広告費は、マグナが3,000億ドル(13%増)、ゼニスが3,200億ドル(12.2%増)と、いずれも3,000億ドルを突破すると見込んでいる。ゼニスは、このうちソーシャルメディアが20%増の753億ドルに達し、従来型のテレビ広告の652億ドル(4%増)を上回ると予測。同社はラジオについては6.6%増の148億ドルとみている。
世界の広告支出額
21年の総支出額は、マグナが7,100億ドル(前年比22%増)と予測。ゼニス、グループМもほぼ同様の予測値を示している。世界の広告支出額が7,000億ドルを超えるのは初めてのことで、22年は9~12%程度の増加が期待できるとの予想だ。