22年北京五輪 中継のNBCに抗議デモ 大会の取材妨害に懸念も

編集部

来年2月に開催される北京オリンピックを全米で独占テレビ中継・ネット配信するNBCに対し、批判の声が上がっている。中国政府による少数民族のウイグル族や、香港の民主派への弾圧などの人権侵害が理由だ。大会まで2カ月に迫った12月4日、ニューヨーク市内の本社前にチベット人、ウイグル族、香港出身の中国人のほか、人権擁護を訴える個人・団体が押し寄せ、北京五輪の全米中継に対して抗議デモを展開した。これら人権団体は1年以上前から、国際オリンピック委員会(IOC)に対し北京五輪の中止を求めているほか、米政府にもボイコットを要請し続けていた。その後、米バイデン政権は12月6日、同大会に政府関係者を派遣しない、いわゆる"外交ボイコット"を発表した。この決断は、人権団体の活動を後押しする形になった。オーストラリアやオランダも外交ボイコットを検討しており、さらに他の主要国が続くことも予想される。

11月初旬には、中国外国特派員協会(FCCC)が同大会の取材について「北京オリンピック組織委員会に繰り返し問い合わせたにもかかわらず、大会準備の取材をたびたび妨害され、会場を訪れることができない状況にある」との懸念を表明。これを受けて米国務省のネッド・プライス報道官が中国政府に、外国人ジャーナリストの自由な報道の保障を要請した。これに対し、中国政府は人権侵害や取材妨害の事実を否定している。

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