米ディズニーCEO Hulu、Disney+、ESPN+ 一本化の意向を公表

編集広報部

米ディズニーが9月14日、自社の配信サービスHuluDisney+を統合させる意向を表明した。実現には、現在コムキャストが持つHulu株約33%の買収が必須。そのため、ディズニーのボブ・チャペックCEOは早急にHulu株を買収したい意向を明らかにしていた。

チャペックが「HuluDisney+ESPN+三位一体計画」をほのめかし始めたのは、2021年8月まで遡る。今回はそれを、サンフランシスコで開かれたゴールドマンサックス・グループ主催の通信・メディア会議という公の場で表明したことで、コムキャストとの今後の駆け引きも含め、注目されることになった。

ディズニーは19年にFOXの娯楽部門を買収した際、FOX所有のHulu株も吸収し、現在66%を所有している。残るコムキャスト所有株については、24年1月以降ディズニーがコムキャストから買収する権利を有するとの2社間の合意がある。

チャペックの「統合計画」表明を受け、その約2時間後、同じステージにコムキャストのブライアン・ロバーツCEOが立ち、「Hulu株が売りに出されるならコムキャストはもちろん、他のメディア企業などもこぞって関心を示すはずだ」と発言し、そう簡単にはディズニーの思惑どおりにはいかないとの態度を表明。「Huluの価値は高い。売るなら最高値で売る」というのがロバーツの真意だろうというのが、米メディアの論調だ。今年7月時点で、ディズニーはコムキャストの持株価格を約86億ドル、Huluの企業価値を約258億ドルと見積もっている。

ディズニーはすでに、HuluDisney+ESPN+のバンドルサービスを月額約14ドルの割引価格で展開し、成功している。この3つの配信サービスの延べグローバル契約者数は、すでにネットフリックスを追い越した。米国でHuluDisney+、またはESPN+もあわせて一本化されるとすれば、世界各地での運営はどうなるかなど、今後の展開への関心が高まっている。

なお同じ時期に、パラマウント・グローバルも自社の配信サービスShowtimeを近々フェイドアウトし、Paramount+との統合を検討中という報道も出ている。ワーナーメディア・ディスカバリーもすでに、HBO MaxDiscovery+の統合を発表している。

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