元受刑者の社会復帰には「就労」「教育」「住居」「仲間づくり」が不可欠との考えのもと、2013年に関西の中小企業7社により、再犯を防ぐ「日本財団職親プロジェクト」が発足した。受刑者の半分が出所しても仕事や居場所がなく、再び罪を犯すという社会問題に取り組んでいる。
本作の主人公は、このプロジェクトに参加する大阪の建設会社社長・草刈健太郎さんだ。草刈さんは妹を殺された過去を持つが、再犯を減らすことで新たな被害者を生まないという信念のもと、元受刑者の更生を支援している。壮絶な過去を持つ草刈さんの10年間に密着し、元受刑者の"生き直し"や教育・社会の問題も浮き彫りにしたヒューマン・ドキュメンタリーだ。
北岸良枝監督は、テレビ大阪取材班の一員として同プロジェクトと草刈さんを取材し続け、テレビドキュメンタリーをこれまで3本制作、それぞれ2018年5月、同9月、20年8月に放送している。同取材班は20年に坂田記念ジャーナリズム賞特別賞を受賞している。テレビドキュメンタリーに最新の取材も加え、このたびの映画となった。
2月24日(土)から大阪市・第七藝術劇場で公開する。なお、刑務所・少年院で先行上映会を開いている。