全米でローカルニュースの重要性が再認識される中、ABC傘下のローカルテレビ局が8つのマーケットで、住民(視聴者)の安全確保を支援するため、ウェブサイトとアプリ「Neighborhood Safety Tracker」を開設した。各地域向けに、最新の犯罪情報、ニュース速報、安全情報を発信していく。ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、フィラデルフィア、サンフランシスコ、ヒューストンのほか、ABC傘下の局がカバーする全米の主要都市とその周辺地域で、地元警察署や保安官事務所などから提供される最新のデータを視聴者に届ける。
「Neighborhood Safety Tracker」は、ABCのジャーナリストらが地域の犯罪や安全に関する日々の報道を提供し、必要に応じてリアルタイムでさらに掘り下げる機能を持つ。ABCのジャーナリストがまず地元警察などからの情報を仕入れ、過去の類似犯罪などとも照らし合わせ、住民への影響を評価したうえで、伝えるという。それぞれのニュースに即したグラフィックや地図も制作し、視聴者の関心を高めるようにした。
ABCは今回のウェブおよびアプリの開設について、概要次のように述べている。「視聴者は自分自身や家族を守るために、地域の犯罪動向などを知ることが不可欠。そのために、地元のテレビ局が信頼できる情報を提供していく」
ABC傘下のローカルテレビ局が、データジャーナリズムチームを組織したのは2019年。データ分析・統計・コンピュータープログラミング分野で専門的な訓練を受けたジャーナリストらを、ベテランの調査報道ジャーナリスト、ジョン・ケリーが率いた。このチーム結成以来、ABCは全米での独自捜査によるニュース報道を増やしており、こうした土台あってこその「Neighborhood Safety Tracker」開設だという。今後は、8つのマーケット以外へのサービス拡張も検討する予定。