米CBSの新イニシアチブ 障害のある役者に配役の機会均等を

編集広報部

CBSが9月8日、障害のある役者がより多くの役を得られるよう、新たなイニシアチブ「The CBS Performers With Disabilities Talent Initiative」を発表した。CBSはすでに、人種的少数派の役者に公平に配役がなされるためのイニシアチブを発表しており、この障害者に対してのものはその一環だ。202223年テレビシーズンから導入され、すでにParamount Global傘下のメディアを通して放送され始めている。

これまでテレビ業界では、障害者が活躍する場は非常に限られていた。このイニシアチブは、テレビシリーズのレギュラー出演、ゲスト出演などあらゆるケースで、障害者の設定でのシナリオ、または特に障害とは関係ないシナリオの両方で、障害のある役者を積極的に起用していくというもの。

CBSエンターテインメントのタレント&キャスティング担当上級副社長のクローディア・リオン氏は、「多くの才能ある役者が、障害があるというだけでこれまで活躍する機会を逃してきた。このイニシアチブで、彼らの才能を見出し、光を当てたい」旨、コメントを発表している。

イニシアチブの一環としてCBSはまず、障害者支援団体などの協力を得て、障害のある役者のデータベースを拡充した。さらに、選考を経た障害のある役者には、さまざまなキャリアアップのプログラムが提供される。その一つ「キャスティング101」は、キャスティング・ディレクターがオーディションで何を求めているか、目を引くヘッドショット・履歴書・デモ映像について指導し、いかにして役を勝ち取るかのアドバイスを行う。CBS経営陣との意見交換の場も提供される。さらに今後1年間で、障害者向けの演技指導ワークショップがニューヨークとロサンゼルスで、それぞれ対面で1回ずつ開催され、全米向けにもオンラインで1回、合計3回のワークショップが予定されている。障害のある新人役者向けには、新番組のパイロット版制作に先立ち、早めに声がけもされる。

全米障害者雇用月間である10月には、親会社パラマウントの全社的な取り組みの一環で、障害のある役者のためのサミットも開催する予定だ。

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