パラマウント・グローバル傘下のCBSスポーツが4月11日(現地時間)、サッカーに特化した無料の配信サービス「CBS Sports Golazo Network」を開始する。全米と世界中で行われるトップクラスのサッカーの試合を24時間体制で、解説・分析・ハイライト付きで米国内に配信する初の事業だという。
CBSスポーツはすでに、UEFA(欧州サッカー連盟)のヨーロッパリーグとヨーロッパ・カンファレンスリーグ、AFC(アジアサッカー連盟)チャンピオンズリーグ、イタリアのセリエA、スコットランドやアルゼンチンのプロリーグのほか、世界の男女リーグ合わせて2,400試合以上の中継権を擁している。それを最大限に駆使し、CBSSports.com、CBSスポーツのCTV(コネクテッドTV)とスマホ向けアプリ、それにPluto TVとパラマウント+で配信していく。なお、Jリーグの中継権は所有していない。
CBS Sports Golazo Networkでの試合中継は、ライブだけでなく録画も含まれる。ライブの場合は、試合前と終了後の試合分析やインタビュー番組もあり、試合中継がない時間帯にはパラマウント+のドキュメンタリー映画や、オリジナル関連番組を配信する。
CBSスポーツは、現在のアメリカのサッカー中継のあり方と、ファンの欲求との間にはギャップがあるとの見解を示している。「サッカーの試合は世界中で行われている。アメリカのサッカーファンは、前の晩の試合結果や分析、ハイライトを、毎朝テレビで見たがっている」とし、それに応えるため、平日朝7―9時(現地時間)に特別コンテンツをライブ配信するという。元サッカー米国代表選手らをパーソナリティに迎え看板にしていく。
ここ数年、米国ではサッカーの人気が高まっているとされ、新サービスの開始は絶妙なタイミングと考えられる。視聴者が増えれば広告主も付いてくることとなる。新しいところでは、アップルの米メジャーリーグサッカー(MLS)との全試合配信10年契約が注目を浴びたが、ESPN やNBCスポーツもヨーロッパのサッカーリーグの中継権を獲得しており、さらにコンテンツを拡大しようとしている。
CBSは近年、CBS Sports HQなど広告付きの無料配信プラットフォームの構築に尽力してきた。CBS Sports Golazo Networkもその流れに乗って、今年のアップフロント直前にサービスを開始することで、広告主の獲得を目指す。