米連邦通信委員会(FCC)が9月21日、CM規制に違反した複数のテレビ局に対し、総額約337万ドルの罰金を課すことを発表した。子ども向け番組中のCM量などを制限する規定「Children's Television Act」に違反したことがその理由だ。
違反行為は2018年11月10日から12月16日にかけて行われた。『Team Hot Wheels』という8回シリーズの30分番組で、「Hot Wheels Super Garage」という玩具(組み立てキット)のCMが、11回放送された。1990年制定の法律「Children's Television Act」は、子ども向け番組で放送されるCMにさまざまな規制を課しているが、その中に「番組中に流れる広告商品と、番組そのものの内容が関係している場合、それは番組そのものが一つの長いCMとみなされる」という項目があり、今回の違反はこの項目に抵触するとされた。
違反が発覚したのは2020年。放送免許の更新手続きの際、複数の放送局が違反を認めたことから、FCCによる調査が始まった。最多額(265万ドル)の罰金を支払うのは大手シンクレア・ブロードキャストグループだ。当該番組『Team Hot Wheels』と、「Hot Wheels Super Garage」CMの提供局であり、これらを放送した全米80以上の傘下ローカル局で違反が発覚した。ほかに、Nexstar傘下の数局と、その他小規模局も罰金を支払う。
FCCは「シンクレアは過去17年間で、同様の違反行為により11回も罰金または勧告処分を受けており、目に余る。しかも、歴史ある放送局による明らかな違反行為だ」などと糾弾している。ジェシカ・ローゼンウォーセルFCC委員長は声明文で不快感を示したうえで、「この法律は、放送局が信頼のおける子ども番組を提供し続けるために制定されたもの。今回放送局がそれを無視したため、罰金を課すものである」などとコメントした。