CNN 「速報」乱用を新CEOが指摘 ガイドライン策定へ

編集広報部

親会社ワーナーブラザーズ・ディスカバリーの誕生で、新体制となった米CNNCEOに就任したクリス・リクト氏が早速、テレビ画面上での「速報」バナーの乱用を指摘し、使用を見直す方向性を示していると6月初旬、米メディアが一斉に報じた。

このニュースが流れた翌週にはさらに、中道的な事実報道に徹するため、リクト氏が党派的な報道をするキャスターらの起用を見直すとのニュースも報じられている。ワーナーブラザーズ・ディスカバリーCEOのデビッド・ザスラフ氏は以前から、CNNの報道姿勢に疑問を持っており、「新体制では、情報と事実のみを伝える本来のニュース報道局に戻していく」と話していた。6月7日現在、CNNはこれらについての公式発表はしていない。

視聴者の注意を引くための「Breaking News(速報)」の使い過ぎは、CNNに限ったことではないが、CNNは度が過ぎるというのが米メディアの論調だ。実際、CNNの画面下にはこれまで、赤地に白抜きの「速報」バナーが常に表示されていた。リクト氏は「本当に速報なのかそうでないのか、速報バナーの使用についてのガイドラインを設ける」とメディアからの問いに答えている。

CNNの「速報」バナー乱用には、これまでも社内外から苦情が寄せられていたという。このニュースが報じられてから、すでにCNNは「速報」の代わりに「New Developments(新たな進展)」といった代替バナーを使い始めている。新体制による今後のさらなる経営改革が注目される。

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