第48回放送文化基金賞 民放は『ハコヅメ』『水曜日のダウンタウン』が最優秀賞に

編集広報部

放送文化基金が主催する第48回放送文化基金賞が6月7日に発表された。過去1年間(2021年4月―22年3月)の放送の中から優れたテレビ・ラジオ番組や個人・グループに送られる同賞。民放の番組がテレビドラマ番組とテレビエンターテインメント番組で最優秀賞を獲得した。

番組部門のうち、テレビドラマ番組の最優秀賞は、日本テレビ『水曜ドラマ ハコヅメ~たたかう!交番女子~』が受賞した。交番勤務の女性警察官にフォーカスしたこのドラマは、随所で笑いを誘いつつも、シリアスな社会問題を描いた絶妙なバランスが評価された。

テレビエンターテインメント番組にTBSテレビ『水曜日のダウンタウン おぼん・こぼん THE FINAL』が選ばれた。解散寸前だったベテラン漫才コンビおぼん・こぼんの仲直りを応援する企画の完結編となった放送回。「果敢な仕掛けと必死の説得から生まれる奇跡の展開は、予定調和をよしとしない同番組ならではの緊迫感に満ちていた」などが選考理由であった。

ラジオ番組では優秀賞をRKB毎日放送『永遠の平和を あるBC級戦犯の遺書』が受賞。同番組は日本民間放送連盟賞「番組部門ラジオ教養」の優秀や早稲田ジャーナリズム大賞「草の根民主主義部門」の奨励賞なども受賞している。なお、同作品で取材・構成・演出を務めた大村由紀子氏は企画・制作賞に選出された。

また、個人・グループ部門の「放送文化」を『民謡で今日拝なびら』(RBCiラジオ)など、長年琉球放送で沖縄文化に関連した番組を数多く制作するラジオパーソナリティの上原直彦さんが受賞した。民放からは、50年にわたり地域課題を取り上げ続けている番組『提言の広場』の制作スタッフ(山形テレビ)、ゴールデンタイムに1時間のドキュメンタリー番組を開始し10年を迎えた『RSK地域スペシャル メッセージ』制作スタッフ(RSK山陽放送)が選ばれた。

同部門の「放送技術」では、民放から、AI業務支援システム「エイディ」の社内開発と運用で日本テレビAI社内開発チームが、FM回り込みキャンセラー及び混信波除去装置の開発で山口放送らの「FM回り込みキャンセラー」開発チームがそれぞれ受賞した。

このほか、番組部門の奨励賞に民放6作品が選ばれた(下記のとおり)。贈呈式は7月6日(水)に行われる。受賞一覧等の詳細は放送文化基金のウェブサイトにて。


放送文化基金賞 奨励賞
【テレビドキュメンタリー番組】
瀬戸内海がゴミ箱になる日
 (南海放送) 
第30回FNSドキュメンタリー大賞 命の選択~ALSとの闘い~
 (山陰中央テレビ)
【テレビドラマ番組】
WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-
 (WOWOW、日活、テレビマンユニオン)
【テレビエンターテインメント番組】
ザ・モキュメンタリーズ~カメラがとらえた架空世界~
 (WOWOW)
笑いの総合格闘技!千原ジュニアの座王 新春SP
 (関西テレビ)
【ラジオ番組】
ニッポン放送報道スペシャル あの日の誓いから10年・始まった共生社会への挑戦!
 (ニッポン放送)

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