ローゼンウォーセル氏米FCC委員長に指名 バイデン大統領

編集部

米バイデン大統領が10月26日、FCC(連邦通信委員会)のジェシカ・ローゼンウォーセル委員長代理(民主)を同委員に再任した上で正式に委員長に指名する意向を表明した。女性が委員長に指名されるのは初めて。併せて、空席となっていた5人目の委員の候補者としてギジ・ソーン氏(同、新任)が示され、FCCの新体制発足に向けた動きがようやく始まった。両氏の委員任命が上院で承認されれば、民主党系が5人中過半数の3人を占める体制が整う。同委員長職は前任のパイ氏(共和)が今年1月に退任した後、空席となっていた。また、委員が民主、共和各2人の同数となって、重要な案件を決定できない状況が続いていた。

ローゼンウォーセル氏は2020年6月に委員の任期切れとなったが、後任が決まらないため引き続き委員にとどまり、パイ氏の退任後は委員長代理に就いていた。新任のソーン氏は、オバマ政権下でFCCの委員長を務めたトム・ウィーラー氏の元顧問だ。

ローゼンウォーセル氏は、ブロードバンドを全米に普及させる政策を強く支持しており、オバマ政権下で15年に制定されたインターネット中立性規制がトランプ政権下で覆されたことを激しく批判している。同規制は、インターネット接続サービスを提供する事業者にネット上のコンテンツを平等に扱うことなどを義務付けたもので、その支持派と投資意欲を削ぐと主張する通信業界の団体が対立している。メディア所有規制の大幅緩和の行方と併せて、新委員長による舵取りが注目される。

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