米国で2022 FIFAワールドカップ カタールを独占ライブ中継しているケーブルテレビのFOXスポーツおよび地上波FOXと、コムキャストのスペイン語放送テレムンドおよび傘下局が、グループステージから決勝トーナメント開始直後までの段階で、すでに記録的な視聴者数を獲得している。FOXスポーツによると、グループステージ最初の35試合の平均視聴者数は1試合300万人強。2018年ロシア大会(同じくFOXが中継)の218万人から大きく増えた(ニールセンデータ)。
■米国代表戦、NFL並みの視聴者数
11月25日(米国時間)のグループステージでの米国対イングランド戦(結果は引き分け)は、FOXだけで平均視聴者数1,540万人。テレムンドの324万人、配信(FOXSports.com、FOX Sportsアプリほか)の127万人を合わせると、全プラットフォームの平均合計が2,000万人という、NFL並みの視聴者数となった。これは、米国男子サッカーのライブ中継史上最高数を記録したとのこと。米国チームが勝利した対イランのグループステージ最終戦も、FOXでの視聴者数は平均1,200万人。そして12月3日(米国時間)の決勝トーナメント対オランダ戦は、米国が惜しくも敗退したものの、FOXスポーツで平均1,300万人近い視聴者数を記録した。この一戦のピーク時の視聴者数は、米国チームがゴールを決めた時間帯(米東部時間午前11時30分から15分間)で1,630万人に達したという。
■スペイン語放送も高視聴者数
米国内のスペイン語放送でも、13日間のグループステージ48試合の平均視聴者数は207万人で、前ロシア大会の197万人と比べ、大健闘している。今大会をスペイン語で独占中継するコムキャストのテレムンドと、その傘下のUniverso、それに配信のピーコックとテレムンドの配信プラットフォームも合わせると207万人。過去8大会のスペイン語放送で、2014年ブラジル大会に次ぐ多くの視聴者数だ。ブラジルと米国はほとんど時差がないため、米国内視聴者にとっては観やすかったが、今回のカタールとは時差があってもこれだけの視聴者数となったことで注目されている。
テレムンドでのグループステージ最高視聴者数は、平均900万人を記録した11月26日(米国時間)のアルゼンチン対メキシコ戦。スペイン語放送でのグループステージで過去最高を記録した。
■母国語中継見たさに四苦八苦
今大会初日の11月20日、インターネットのセキュリティーツールVPN(Virtual Private Network)のセットアップが、直前の7日間比で1,038%の増加を見せたと、コンピューターウィルスの調査分析をするSafetyDetectivesが報告している。VPNのユーザーはもともと世界中のサッカーファンに多いという。W杯の母国語中継を見たいという、熱烈なサッカーファンが今大会中急増していることが示された。