阪神・淡路大震災から30年 "あの日"と"いま"を伝える民放地元局の特番

編集広報部
阪神・淡路大震災から30年 "あの日"と"いま"を伝える民放地元局の特番

1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神・淡路大震災は、国内で観測史上初の震度7を記録し、関連死を含めて6,434人が亡くなった。震災から30年となる1月17日を中心に在阪局や兵庫県域局は特番を編成。当日の特番を中心に在阪テレビ局と兵庫県域局の番組を紹介する。

在阪テレビ局

在阪テレビ局で発災時刻にかかる5時台に特番を編成したのは毎日放送、読売テレビ放送、関西テレビ放送の3局。毎日放送『阪神・淡路大震災30年~刻み続ける~』(5:20~6:00)は、1995年12月生まれの清水麻椰アナウンサーがMCを務め、追悼行事「1・17のつどい」が行われた神戸市東遊園地から放送した。また、震災によって重度の後遺症を負う"震災障害者"にフォーカスし、当事者や被災者支援団体の元代表の声を届けた。

読売テレビ放送『ten.特別番組「阪神・淡路大震災30年分のメッセージ」』(5:10~6:54)は、神戸市内のビーナスブリッジを拠点に東遊園地や同市の中野南公園と中継を結び追悼式の模様を伝えたほか、双子の兄をなくした妹と母の思い(取材した神田貴央記者の寄稿はこちら)や写真をとおして震災を伝え続けてきた男性など計5本のVTRを交えて放送した。

関西テレビ放送『この瞬間(とき)に祈る』(5:25~6:00)は、東遊園地だけでなく、西宮市の西宮震災記念碑公園、神戸市長田区の鷹取地区、伊丹市の昆陽池公園からの中継を行い、追悼行事を行う自治会長やボランティア団体代表の声を交えて、祈りの時間を届けた。また、今回の「1・17のつどい」で遺族代表を務めた長谷川元気さんのVTRと、追悼の言葉を述べる模様も伝えた。

朝日放送テレビは、『おはよう朝日です』(5:00~8:00)内で、東遊園地の追悼行事の模様を生中継で伝えた。

また、同局は1月19日に『阪神淡路大震災30年特別番組 あの時から今へ~私が撮った1.17~』(13:55~15:20)を全国ネットで放送。2002年兵庫県西宮市生まれのAぇ! groupの佐野晶哉さんが、崩落した高速道路上で転落寸前だったバスに乗っていたドライバーやけがをして入院していた鐘紡記念病院(現・神戸百年記念病院)で被災した男性など、発災直後に映像を撮影した視聴者のもとを訪ね、当時の話やその後の30年についての話を聞いた。

テレビ大阪は当日の『やさしいニュース』(月~金、17:00~17:25)を神戸ポートタワーの特設スタジオから放送。ゲストに神戸市出身のフリーアナウンサー・宇垣美里さんを迎え、発災当時に取材した神戸の新開地にある居酒屋の店主のいまや、避難所で使う物資を保管している大阪市の備蓄倉庫について紹介した。

1月17日以外の特番では、毎日放送が1月15日に『阪神・淡路大震災30年特番 刻み続ける1995年1月17日「~あの日、現場で起きていたこと~」』(20:00~21:58)を組んだ。メディア初公開のネガフィルムから地震による地滑り現場に焦点をあて、救助活動に当たった隊員の声や、兵庫県立淡路病院の発災当日の映像を交えながら、トリアージが行われた現場にいた医師の葛藤など5つのエピソードを放送した。

サンテレビジョン 合計約7時間の特番

サンテレビジョンは1月17日に5時台に加えて、17時から23時までの合計約7時間の特番を編成した(特番をまとめたサイトはこちら。外部サイトに遷移します)。『阪神淡路大震災 1.17のつどい~あの日からそして未来へ~』(5:30~6:15)は、「阪神淡路大震災で亡くなられたすべての方々のご冥福をお祈りいたします」の文字からスタートし、東遊園地の追悼行事の模様を届けた。遺族代表の長谷川元気さんや神戸市の久元喜造・市長、坊恭寿・市議会議長の言葉をすべて伝えたほか、会場を訪れた人の声を紹介した。

夕方からは『バトン1.17~守りたい、だから伝える~』(17:00~23:00)を編成。全4部で構成し、1・3部は生放送した。第1部は各地の追悼行事や遺族の思いを放送。第2部は、震災を知らない子どもたちに向けた震災教育番組として、当時の被害を映像で振り返った。第3部は災害への備えをテーマに、企業やまちづくりの取り組み、南海トラフ地震への備えなどを伝えた。第4部では、当時の局員の証言をまとめた『証言1.17~被災局のあの日 そして未来へ~』(プロデューサーを務めた小浜英博さんの寄稿はこちら)を届けた。

兵庫県域局ラジオ局でも特番

ラジオ関西とKiss FM KOBE(兵庫エフエム放送)は、それぞれ当日5時台に特番を編成し、追悼行事「1・17のつどい」の模様を中継した。ラジオ関西の『阪神・淡路大震災30年 神戸からの祈り』(5:30~6:00)では、中継の前後に震災をどう伝え、教訓を生かすのかをテーマに、震災を知らない世代やNPO法人「阪神淡路大震災1.17希望の灯り」の代表理事の声を伝えた。Kiss FM KOBEの『1.17プロジェクト「減災」』(5:30~5:55)は、大規模災害への備えについて、神戸市危機管理室の担当者に話を聞いた。

また2局は、震災30年プロジェクト「REC KOBE 1995」(外部サイトに遷移します)のキックオフとして、初の試みとなる同時生放送の形式で『REC KOBE 1995』(15:00~16:00)を放送した。同プロジェクトは、未来に遺しておきたいメッセージをアーカイブ化して、CMや番組などで発信するもの。番組では、ラジオ関西のパーソナリティ・三上公也さんとKiss FM KOBEのサウンドクルー・藤原岬さんが出演し、神戸市の生田神社の名誉宮司や大丸神戸店に勤める震災経験のない店員、8歳で被災した男性など合計9人の声を届けた後、リスナーからのメッセージを紹介した。番組の最後は、鎮魂と希望を込め、神戸の再生を願う復興の歌として震災直後に作られた「しあわせ運べるように」を流して締めくくった。

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