南日本放送(MBC)は、2025年12月30日(火)20時から『MATCHAの挑戦~鹿児島の本物を届けるために~』を放送する。同番組は、全国37の民放AMラジオのローカル局が加盟する地方民間放送共同制作協議会・火曜会が制作費を援助するコンペ「火曜会・ラジオスピリッツ」で選ばれた企画を番組化した作品。亀渕昭信、石井彰、入江たのしの3氏の審査により、2025年9月に8社12企画の中から選ばれた。
このたび、民放online記者は同番組の企画制作を担当するラジオセンター音声メディア部アナウンサーの上塘百合恵(かみとも・ゆりえ)さん(=冒頭画像)を取材。アナウンサーとしてMBCラジオ『青だよ!たくちゃん!』(土、13:30~16:30)やMBCテレビ『てゲてゲ』(水、19:00~20:00)に出演しつつ、一人で日本各地を取材し番組を制作した上塘さんに、番組への思いや制作の裏側を伺った。(編集広報部)
世界的な抹茶ブームの一方で――番組制作の経緯
お菓子や飲み物のフレーバーとして国内外で人気の抹茶。日本茶輸出促進協議会によると、粉末茶を中心とした日本茶の輸出量・額は、ここ数年過去最高を更新し続けている。こうした抹茶ブームが起きる中で「実際の現場はどのように感じているのだろうと気になった」と上塘さん。「日本の抹茶が世界に広まって、みんなハッピーなのかと思いきや、実はそうではない。これはぜひ、深く取材したいと思った」と制作のきっかけを語った。
2025年夏、鹿児島県は令和7年産一番茶の荒茶(摘み取った茶葉を一段階加工したもの)生産量で、初の全国1位を獲得した。2位は静岡県、3位は三重県、4位に京都府が並ぶ(農林水産省調査結果より)。一方で「県外で街頭インタビューをすると、まず静岡や京都。鹿児島の名前は出てこない。本当に知られていないと痛感した」と上塘さん。「鹿児島のお茶はどれもおいしく、すてきなお茶のカフェもたくさんあるので、もっと知ってほしい」という思いも生まれ、鹿児島から世界の抹茶ブームの裏側を探る企画がスタートした。
<鹿児島の抹茶の魅力を語る上塘百合恵さん>
――実際に鹿児島で生産者の方を取材してみて、どのような声がありましたか?
(抹茶ブームは)いいことだと話す方もいれば、危機的な状況だと話す方もいました。抹茶ブームが来たことで、抹茶の原料は品薄になり価格も高騰。また、日本のこれまでの丁寧な抹茶作りを覆すような形で作られた"MATCHA"が世界に流通し始めているそうです。やはり生産量で見ると日本は海外にかなわない状況。日本の抹茶文化は今後どうなってしまうのか、と農家さんなどお茶業界の方々は話していました。
――裏側や危機感を伝えるため、どのような方に取材しましたか?
農家や加工施設などの現場の方々や、輸出業界、海外のバイヤー、農林水産省にも取材しました。街頭インタビューも含めると取材は20回を超えます。取材のアポから始まり、構成、原稿作成とナレーションも全て一人で進めました。
ラジオだからこその声も
――現場の声以外に、どのような音が楽しめますか?
抹茶ならではのお茶を点てる音や茶臼の音などを、実際に作業を体験して収録しました。しっとりとした番組に仕上がるかと思いきや、そうではないかもしれません。取材したお茶屋さんは海外の方でにぎやかで、宇治のカフェもさまざまな国の言葉が飛び交っており、そんなリアルなようすをお届けできるかと思います。抹茶を飲んで、会話も盛り上がって、という取材が多く、抹茶好きな外国人にもインタビューしているので、それこそ抹茶が好きな若い世代の方にも楽しんでいただけるのかなと。

<抹茶作りを体験して音を収録>
――取材してうれしかったことはありますか?
"声だけ"というハードルの低さから、「ラジオなら出ます」と応えていただいた方が多く、ラジオならではの魅力を感じられたことです。取材をとおして「ラジオいいね、楽しいね」と言っていただくこともありました。手軽にマイク一つで取材ができるので、カメラがない分、構えずに気軽に楽しくおしゃべりができました。

<マイク一つで各地に取材>
本当の"抹茶"とは?
消費者が考えるきっかけになれば
――リスナーに注目して聴いてもらいたいポイントは?
取材を重ねていくうちに、本物の抹茶って何だろう、とわからなくなってきて、それを同じようにお茶業界の方々も話していました。いろいろな緑の粉末がたくさん出回って、抹茶の定義が曖昧になり何が本物かわからない、「抹茶=日本」の印象がいつかなくなってしまうのでは、という状況が起きています。
この番組をきっかけに皆さんにも本物の抹茶って何だろう、と問いかけられたらと思います。私たち消費者も、どんな商品を手に取るか、その抹茶に込められたいろいろな人の想いを考えるきっかけになれば、とてもうれしいです。
『MATCHAの挑戦~鹿児島の本物を届けるために~』
南日本放送:2025年12月30日(火)、20:00~21:00
【各局放送日時】※2025年12月26日追記
北海道放送:2025年12月31日(水)、21:00~22:00
秋田放送:2026年1月1日(木)、15:00~16:00
信越放送:2026年1月1日(木)、15:00~16:00
北日本放送:2025年12月31日(水)、10:00~11:00
福井放送:2025年12月31日(水)、8:30~9:30
京都放送:2026年1月4日(日)、12:00~13:00
山陰放送:2025年12月30日(火)、20:00~21:00
中国放送:2026年1月1日(木)、6:30~7:30
四国放送:2025年12月31日(水)、9:00~10:00
熊本放送:2026年1月3日(土)、15:50~16:50
宮崎放送:2025年12月30日(火)、20:00~21:00