熊本放送(RKK)は、4月20日(日)13時から『ラジオドキュメンタリー「星空の学び舎」』を放送する。同番組は、全国37の民放AMラジオのローカル局が加盟する地方民間放送共同制作協議会・火曜会が制作費を援助するコンペ「火曜会・ラジオスピリッツ」で選ばれた企画を番組化したもの。2024年9月に10社19企画の中から選ばれていた。
2024年4月に開校した夜間中学の「熊本県立ゆうあい中学校」を1年にわたり取材、番組では3人の生徒に焦点を当てた。同校は、熊本県居住で小学校や中学校を卒業していない人や、十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した人が、中学校の学習内容を学び直す場所。昨年度の全校生徒は15~87歳の37人だった。
<1年生の教室>
番組を企画し、ディレクターを務めたRKKの清水葉子氏は、「顔を出すことを嫌がる人が多いだろうから、ラジオ向けのテーマかな」と企画し、取材を開始。生徒たちの「学ぶこと」への情熱に触れ、取材回数は38回にのぼった。
番組で取り上げた3人は、いずれも24年度当時、1年の木本礼子さん(68)と中山弘樹さん(52)、2年の深瀬拓磨さん(17)。長年福祉業界で働き、ケアマネージャーや介護福祉士、ヘルパーなどの資格を持つ木本さんは、父親の仕事の都合で義務教育の9年間に12回の転校を重ね、勉強についていけず、友達もできなかった。娘に同校への通学を反対されるものの、思いを貫く。
<木本さん㊨と先生>
中山さんは、文字の読み書きが苦手で、小学6年まで平仮名が読めなかった。「文字を理解したい。上手く喋りたい」という目標を持ち、昼間に建設現場で働いた後、作業着で通学している。
<中山さん㊧と先生>
深瀬さんは、高校に進学せず4年間家に引きこもっていた。ニュースで同校を知り、入学を決意。4月は元気に通っていたが、5月から再び不登校気味に......。3人の1年間をラジオドキュメンタリーとして描いた。
清水氏は、「番組で"学ぶことの喜び"とはどのようなものなのか伝えたい」と語った。
同番組は、今後、火曜会加盟各社でも放送する予定。