取材中のテレビ局記者が銃殺される 米フロリダ州オーランドで 直後にNABが声明文

編集広報部

米フロリダ州オーランドで2月2216時ごろ(現地時間)、殺人が発生した現場を取材中の記者が中継車内で銃殺され、一緒にいたカメラマンも重傷を負った。付近にいた9歳の女児とその母親(20代)も撃たれ、女児が死亡し、母親が重傷を負った。

NAB(全米放送事業者連盟)のカーティス・ルジェット会長は事件直後、被害者とその家族に哀悼の意を表したうえで、「ジャーナリストは速報を世に送り出す重要な役割を担っており、その過程で命を危険にさらすことも少なくない。今回の事件は、報道関係者が国民に情報を提供するために直面するリスクを再認識させるものであり、私たちNABは同僚、ジャーナリストに対するあらゆる暴力行為を非難する」などとする声明文を発した。

死亡したのは地元ケーブルニュース局、スペクトラムニュース13のディラン・リオンズ記者(24歳)。19歳の容疑者はすでに逮捕された。容疑者は同日の11時ごろ(現地時間)、同じ拳銃で38歳の女性を射殺した容疑者として、警察などが捜索していた。リオンズ記者らは午後、その殺人現場を取材中、現場に戻ってきた容疑者に襲われた。この乱射事件の動機は分かっていないが、警察によると犯人は2018年以来、車両強盗などで何度も逮捕され、服役と釈放を繰り返していたという。

事件発生時、現場にいたテレビ局はスペクトラムニュース13だけではなかった。WFTVチャンネル9によると、銃を持った容疑者がまずWFTVの報道車両の近くを通ったため、車内にいたレポーターらはとっさに座席に身を隠した。すると容疑者はスペクトラムニュース13の報道車両に向かって歩き、いきなり車内に向けて発砲。助手席にいたリオンズ記者とカメラマンが撃たれた。容疑者はその後、付近の家屋にいた9歳の女児とその母親にも発砲し、逃走したという。

スペクトラムニュース13は被害者とその遺族への追悼声明文を発するとともに、この事件をテレビとウェブサイトで詳細に報道。手術後、一命を取り留めたカメラマンは病院のベッドからテレビに出演し、事件現場で何が起こったかを生々しく語った。

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