ラスベガスで4月23日から27日まで開催されたNABショーで、米NAB(全米放送事業者連盟)の新会長カーティス・ルジェット氏が25日、年次報告を行った。
ルジェット氏は「放送は地域社会を結びつける力がある」という考えを軸に、ローカルテレビ局の役割の大切さを指摘した後、現在NABが米連邦議会に働きかけている事案を説明した。一つはローカルニュースを経済的にひっ迫させる巨大IT企業の取り締まりの強化。FacebookやGoogleを介してローカルメディアのコンテンツが流出し、全米のローカル局が年間総額20億ドル規模の損失を被っていると指摘した。そのほか、メディア所有規制の近代化などを挙げた。
続いて、ジェシカ・ローゼンウォーセルFCC(連邦通信委員会)委員長を迎えた対談による基調講演が開かれ、ルジェット氏の報告内容を受ける形で、主にローゼンウォーセル委員長が意見を述べた。ルジェット氏に対し、「NABとFCCが協働しなければ何も実現できない」と、両組織が足並みをそろえて各種問題に取り組む必要性を強調。5人目のFCC委員の早期承認が必須であることにも言及した。
また同日、NABの前会長ゴードン・スミス氏に功労賞が授与された。