パリ五輪 米NBCUの広告枠ほぼ完売 東京大会の2倍のペース 配信広告枠で出稿ブランド数も倍増

編集広報部
パリ五輪 米NBCUの広告枠ほぼ完売 東京大会の2倍のペース 配信広告枠で出稿ブランド数も倍増

2024年にフランス・パリで開催される夏季オリンピック(7月26日―8月11日)と同パラリンピック(8月28日―9月8日)。米国内の放送権を持つNBCUは10月半ば、主な広告枠がすでに完売していると発表した。パリ大会のセールスは東京2020大会(21年に延期して開催)の2倍のペースで進み、東京大会の約12億5,000万㌦というセールス総額を超え、NBCUがこれまでに中継した五輪を上回る見込みだという。

NBCUによると、ライブ中継/配信される開会式の広告枠は地上波のNBCとスペイン語放送のテレムンド、配信のピーコックの全プラットフォームで完売。サッカーやバスケットボールなど人気スポーツの生中継でのハーフタイム広告枠も完売している。

パリ大会の中継は配信の比重が高まる。東京大会でリニア放送の補助的な位置づけだったピーコックだが、22年の北京冬季大会で比重を増し、パリ大会は夏季大会で初めてオリンピックとパラリンピックの全試合をライブとオンデマンドで配信する。東京・北京の過去2大会はリニアのプライムタイム視聴が低迷したこともあり、パリ大会では配信にかかる期待度がより高まっているとアドエージ誌が報じている。全体に占める配信(ピーコック経由)視聴の割合は20―25%を見込む。ただし、地上波NBCでの延べ放送時間も過去最長になるという。

配信による広告面でのメリット、新たな広告フォーマットも

配信による広告面でのメリットとして挙げられているのは、高額なリニアの広告枠を購入できない中小ブランドも安価な配信広告枠なら手が届くこと。これまでの五輪中継では毎回、平均で100程度だった出稿ブランド数がパリ大会では約200ブランドへと2倍に増えるという。

また、NBCUはパリ大会で新しい広告フォーマット「Olympic Prime Pods」を導入する。大会期間中、プライムタイムの放送(NBC)と配信(ピーコック)の試合中継で1夜につき1社限定の広告枠だ。CMブレークは30分ごとに60秒のみ。コマーシャル画面の隅に小窓を設け、競技場の様子を同時に映し出す「ダブルボックス」のスタイルを採る。試合の途中にCMブレークを入れないこともNBCUは強調しており、陸上なら選手たちの準備中、バレーボールならタイムアウト時などのタイミングを見計らってCMを入れ、画面のダブルボックス内では選手たちがストレッチしている様子や、タイムアウト時のベンチの様子などが映し出される。このPrime Podsスポンサーは13社で、いずれも五輪の公式スポンサー企業だ。この枠もすでに完売しているという。

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