民放連は11月7日、NHK経営計画(2021―2023年度)修正案に対する意見をNHK経営委員会に提出した。同委員会が実施した意見募集に応じたもの。
民放連が求めていた受信料水準等の見直しについて、受信料の値下げなどにより事業収入規模を圧縮する方針が明確に示されたことを評価するとしたうえで、引き続き三位一体改革を推進するよう期待した。
現行の経営計画の重点項目のうち、「あまねく伝える」の内容を強化して「二元体制の持続可能性を高め、あらゆる地域へ放送の価値を届け続ける」「民間放送事業者等との協力強化により、効率的で強靱な放送ネットワークを維持する」と打ち出したことに賛同。視聴者の将来負担の軽減につながる先行支出として、民放事業者との放送ネットワークの効率的運用など3点を挙げたことを妥当な内容だとした。また、「民放も含めた放送文化全体に裨益する受信料の使途は中長期的に国民の利益に適う」とし、放送ネットワークの効率的運用に際しては、経済合理性と地域事情の反映が重要だと指摘した。
衛星波の削減をめぐっては、衛星放送全体の普及・発展に関する責務と、4K放送の普及に向けた先導的役割を引き続き果たすよう要望した。
日本新聞協会メディア開発委員会は11月10日、同修正案への意見を提出し、「改革が終わったとは到底言えない」として改革を不断に進めることを求めた。受信料の値下げを「当然の取り組み」としたうえで、引き続き国民・視聴者に還元する姿勢を示すよう要望。中長期的にはより公平で低廉な受信料制度への移行の検討や、インターネット活用業務との整理の必要性を指摘した。NHK本体の業務改革をめぐっては、公共放送として相応しい報道・教育などのジャンルに番組制作費を集中すべきだとし、子会社や関連団体の業務範囲についても、NHK本体業務の枠から逸脱するべきではないなどとした。