NHK Tech EXPO開催 全国から 現場発の取り組み集まる

編集広報部
NHK Tech EXPO開催 全国から 現場発の取り組み集まる

NHKは、5月27日~29日の間、NHK放送センター正面ロビーにて「NHK Tech EXPO 2024」を開催した。現場発の技術関係の開発事例全22件(地域局6件、関連団体5件を含む)が展示がされた。展示内容の一部を紹介する。

展示では、2026年度に打ち上げが予定されている火星衛星探査機に搭載予定の8Kカメラと4Kカメラが公開された。熱や振動に耐えられるよう、構造に工夫をこらし、世界で初めて火星と火星衛星のスーパーハイビジョン映像の撮影に挑む。

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<探査機に搭載される8K・4Kカメラのモデル>

また、NHK Tech EXPO 2024 表彰選考委員会は、5月28日に、展示作品から以下の6件の入賞を公表した。

 【最優秀賞】
  プロ野球テレビ観戦用音声ガイドアプリ(広島放送局)
 【優秀賞】
  天気マークスーパー装置を活用した熱中症警戒アラートの送出(メディア技術局)
  植物タイムラプスシステム(メディア技術局)
 【奨励賞】
  地域局番組でもぴったり字幕(札幌放送局)
  障害サポートシステム(メディア技術局)
  のど自慢 カメラカット割り検討用編集アプリ(秋田放送局)

最優秀賞に選ばれた広島放送局の「プロ野球テレビ観戦用音声ガイドアプリ」は、目が見えない人が家族や友人とテレビを一緒に楽しめるよう開発された専用の音声ガイドアプリだ。放送局で作成した野球中継の解説文を音声データに変換し、利用者のスマホに配信。利用者は得点情報、出塁の状況など、自分で選択し、聞きたいときに確認することができる。2023年度には、広島地区でプロ野球中継の視聴実験を行った。

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<実際の音声ガイドアプリの画面 解説者の声の速度まで選択できる>

優秀賞に選ばれた「天気マークスーパー装置を活用した熱中症警戒アラートの送出」は、従来手入力で行っていたL字型画面による熱中症警戒アラートを、気温データなどからアラートを自動生成し画面左上に表示させる仕組みだ。従来のL字型とは異なり放送画面を縮小せずにアラートを表示させ、視聴者サービス向上を目指した。また開発にあたり、既存の天気マークスーパーのシステムを活用したことで、機材の導入コストが不要となった。2023年度には、全国で導入され、運用されている。

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<画面左上に「熱中症警戒」の文字が表示される>

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