NHKの2021年度決算が6月28日開催の経営委員会で議決された。事業収入は7,009億円で、前年度比112億円(1.6%)減。事業支出は6,609億円で、同261億円(3.8%)減。事業収支差金は400億円(148億円増)で、全額を翌年度以降の財源として繰り越す。財政安定のための繰越金は、21年度末で2,231億円(20年度末1,590億円)となった。
受信料収入は6,801億円。20年10月から実施の値下げなどで前年度に比べ94億円の減収となったが、予算に対しては87億円の増収となった。21年度末時点の支払数は4,039万件(契約総数4,155万件)で、20万件減った。支払率は80%で変わらない。
事業支出のうち、国内放送費は2,967億円で143億円減。また、オリンピック・パラリンピック放送実施関連経費は、東京大会が157億円、北京大会が27億円となった。
受信料を財源に実施したインターネット活用業務経費は174億円となり、費用の上限(200億円)に収まった。NHKオンデマンド等のための一般勘定と別区分となる「有料インターネット活用業務勘定」は、事業収入が46億円で7億円(18.3%)の増加。事業支出は25億円で20億円の黒字となった。
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NHKは同日、21年度の連結決算も発表した。連結の範囲はNHKエンタープライズなど連結子会社11社と持分法適用会社1社(放送衛星システム)。これらを合わせた経常事業収入は7,508億円で、前年度に比べ46億円の減少。このうちNHKは93億円減の7,007億円。子会社はイベントの再開による増収等で47億円増加し、500億円となった。
営業利益に相当する「経常事業収支差金」は450億円(同202億円増)。純利益にあたる「当期事業収支差金」は451億円(同164億円増)で減収増益となった。