米ディスカバリーが４月８日、AT&Tに430億ドルを支払い、ワーナーメディアの買収を完了した。新会社ワーナーブラザーズ・ディスカバリーの経営指揮を執るのは、ディスカバリーCEOのデビッド・ザスラフ氏だ。これにより、元ワーナーメディアのCNN、CNN+、HBO、HBO Max、Warner Bros.、DCフィルム、ニューラインシネマ、ターナースポーツなどと、元ディスカバリーのディスカバリーチャンネル、ディスカバリー+、HGTV、Food Networkほか全てのメディアが新会社の下に集結。業界随一の巨大メディア企業となった。
特に注目されるのが、世界を視野に入れたスポーツメディア展開だ。米国内では傘下のターナースポーツがすでにNBA（プロバスケットボールリーグ）、MLB（メジャーリーグベースボール）、NHL（プロアイスホッケーリーグ）の中継権を擁する。そして欧州にはEurosport（ディスカバリー傘下のフランスのテレビ局）がある。Eurosportは欧州における五輪中継権を持ち、今年の北京五輪も欧州ではディスカバリーの独壇場だった。そのEurosportの英国事業と、英国・アイルランドのBT Sportを合併し、欧州で新たな一大スポーツネットワークを構築する計画も進められている。