転機のネットフリックス 契約者減、株価急落 広告入りプランも模索

編集広報部

このほど公表されたネットフリックスの今年の第1四半期報告で、全世界の契約者数が昨年末比で約20万人減少したことが、業界に大きな波紋を呼んでいる。今後も減少傾向が続くとの見通しを受けて株価が暴落すると、それに釣られるようにディズニーやパラマウント、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーなどライバル配信各社の株も下落。暗雲が垂れ込み始めたネットフリックスと、それがテレビ・配信業界にどう影響を及ぼすのか、大きな注目を集めている。

現在、世界全体の契約者数はおよそ2億2160万人。ネットフリックスの契約者数が減少したのは2011年10月以来となった。配信業界の競争激化に加え、今年3月のロシアでのサービス中止により70万人ほどを失ったことも影響し、新規契約者数が減少分に追いつかなかった。

創業以来一貫して広告を入れない方針を貫いてきたネットフリックスだが、今回の減少を受け、広告入りプランの導入を急いでいる。四半期報告直後には、「1、2年以内に開始する」と発表していたが、5月11日には米各メディアが一斉に「年内に広告入りプランを開始の可能性」と報じた。同日現在、ネットフリックスはコメントを避けている。

5月3日には、株主らがネットフリックスを相手取り、サンフランシスコの連邦地方裁判所で団体訴訟を起こした。昨年の第3四半期以降、契約者数の伸びが鈍っていることを株主に報告することを怠ったというのが起訴内容だ。これにもネットフリックスはコメントを避けている。

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