毎日放送 特設ウェブサイト『安倍元総理「銃撃の記憶」』を公開

編集広報部

毎日放送(MBS)は、昨年7月8日に安倍晋三元総理が銃撃された事件現場を再現した特設ウェブサイト『安倍元総理「銃撃の記憶」』をMBSニュースの公式ホームページ内で1月10日から公開している。

映像を通じて事件現場を記録し、警備態勢などを検証することが目的。デジタル時代の報道手法である"ビジュアルジャーナリズム"の取り組みとして、同事件の発生から約半月後には、特設サイトの制作を決めたという。

警察庁の「警護警備に関する検証」報告書をもとに、当時の現場映像と取材内容を合わせて、状況を緻密に再現。演説を聞いていた男(山上徹也被告)が歩道を歩き始めてから発砲し、警察に確保されるまでの75秒間を「安倍元総理視点」「山上被告視点」「現場視点(俯瞰)」の3つの目線による動画で閲覧できる。加えて、360度(全方位)カメラと一人称カメラであらためて撮影した現場周辺の映像に、CGで人物や「山上被告の移動」「安倍元総理の背後を通行人が通過」といった重要なシーンを合成した。発砲音とその直後の周囲からの悲鳴は実際の音を使用し、足音などの環境音は合成している。

「山上被告視点」と重要なシーンの動画は、12月8日放送の情報番組『よんチャンTV』内の特集でも用いられた。

刑法が専門の園田寿・甲南大名誉教授の監修を受けて制作。初めてアクセスするユーザーには、発砲シーンが含まれることなど映像の内容やサイトの目的を告知し、同意したユーザーのみが閲覧できるようにした。また、音声のオン・オフの選択を可能としている。

様相が変わる事件現場を記録する報道機関としての取り組みについて、同社の担当者は、「発砲前後を秒単位で精緻に再現した映像から、当時の環境を記憶に留めてもらいたい」と語った。

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