高知の民放テレビ3局(高知放送、テレビ高知、高知さんさんテレビ)は10月から、共同制作番組『ネイチャーワールド高知 奇跡の美食学』をリレー方式で放送している。土曜の午後帯に30分番組として、テレビ高知、高知さんさんテレビ、高知放送の順番でオンエア。高知の食のルーツや発展のほか、調理法や味わい方、酒文化などを美しい映像と有識者による分析で発信する。
高知信用金庫が創業100周年記念事業として取り組む、高知を食で盛り上げる「高知美食学プロジェクト」の一環で番組はスタート。同プロジェクトは自治体や企業、学校などが参画しており、テレビは高知の食を「調査、研究、発信」する役割を担う。テレビ3局はコロナ禍の際、県による地産地消を推進する「高知家応援プロジェクト」で共同キャンペーンを行ったこともあり、今回も円滑にまとまることができたという。
番組で扱うネタの選定は、各局と制作会社ウッドオフィスで行い、番組内コーナーの制作を各局が担当。高知放送の浜田恵秀・営業局次長兼営業部長は共同制作について「ネタの選び方や見方、取り上げ方に各局で違いがあり、お互いに刺激があった」と手応えを語る。一方、周知に課題があるという浜田氏。「リレー放送というこれまでにない手法を、視聴者に面白いと思ってもらえるとリーチが広がってくると思う」とコメントしている。
各市町村の人々から「取材に来てほしい」などと好評を得ているという。浜田氏は「これまで、高知のテレビでは食に関するレギュラー番組がなかった。これを機に、これまでにない『高知の食』の番組を制作して映像にまとめたい」と意気込む。今後は、TVerなどでの配信やウェブサイトとの連動などの展開も行う予定だ。