ラジオの魅力があるからradikoがある
ラジオの魅力は、音だけで情景や感情を想像させるところにあります。
そのことを伝えるために、私がいつも引用するラジオCMがあります。それは「水とお湯の音を聴き分けられるか」という問いかけから始まるもので、CMの中でコップに水を注ぐ音と、お湯を注ぐ音が流れます。みなさんは聴き分けられると思いますか? 答えは、明確に聴き分けられます。水とお湯では、流れる音の質や粘度が異なる。その違いを、ラジオは確かに届けることができるのです。そしてその音は、冷たい水の感触や、湯気の立つ温かさまで、聴き手の中に呼び起こします。
音は、目に見えない情報を伝えます。
ラジオパーソナリティーは、その特性を知り尽くしています。
例えば、屋外中継の現場で、ただ目に入った状況を説明するのではなく、水たまりがあれば石を投げ入れて「ポチャン」という音を立て、雨上がりという状況を音で伝える。あるいは、周囲の匂いや空の色に触れ、リスナーの想像力を静かにかき立てる。
はがきやメールを読むときの抑揚、間の取り方、声の温度も、人それぞれに計算され尽くしています。
こうした表現は、偶然生まれるものではありません。
長年、放送の現場で鍛えられてきたプロフェッショナルだからこそできる仕事です。
ラジオは、音だけで世界を描くメディアであり、パーソナリティーはその世界を案内する存在です。
radikoが扱っているのは、こうした放送局のプロの制作者とパーソナリティーが丁寧につくり上げてきたコンテンツです。
私たちは、その音の力、声の力を、デジタルの力でより多くの人に届けていきたいと考えています。
radiko15周年
2025年12月1日、radikoはサービス開始から15周年を迎えました。
2010年のスタート当初、radikoは「ラジオがインターネットで聴ける」という一歩から始まりました。現在では、全国の民放ラジオ99局とNHKが参加し、月間アクティブユーザー(MAU)は約850万人に達しています。
この間、ラジオを取り巻く環境は大きく変化しました。
エリアフリーやタイムフリー、スマートスピーカー連携、車載対応など、radikoは技術の進化を取り込みながら、聴取体験を広げてきました。radikoの成長は、放送局が日々届けてきた番組の力と、それを聴き続けてくださるリスナーの存在によって支えられてきました。放送の価値を起点に、デジタルでその可能性を広げる──それが、radikoの歩んできた道です。
「FIND YOUR VOICE」に込めたメッセージ
radiko15周年のテーマとして掲げたのが「FIND YOUR VOICE」です。
これは、好きな声を見つけるという行為に加え、誰かの声を聴くことで自分自身の感情や考えと向き合う、そんな体験を表しています。ラジオは、生活のすぐそばで人の気持ちを動かし、寄り添ってきたメディアです。
これまでのradikoは、「ラジオが聴けるプラットフォーム」としての役割が中心でした。
これからは、その先へ進みたいと考えています。radikoを使うことでラジオをもっと好きになり、もっと身近に感じ、新しい楽しみ方が生まれる、そんなエンターテインメントプラットフォームを目指しています。15周年は、その新しいフェーズへの出発点です。
現在、音声コンテンツ市場が賑わいを見せています。SpotifyやAmazon Audible、Apple Podcastといった音声プラットフォームが拡大する中で、radikoの最大の強みはラジオ局の存在です。ニュース、音楽、バラエティー番組、地域情報などを日々編成し、生活者に届け続けてきた放送局の編集力と信頼性は、簡単に置き換えられるものではありません。そこには、地域社会と向き合い続けてきた時間の蓄積があります。
radikoは、そうした放送局の力をデジタルを使って拡張するための基盤です。プラットフォームが成長できるのは、放送の魅力が生きているからこそであり、この関係性を大切にすることが、音声メディア全体の持続的な発展につながると考えています。
広告媒体としてのradikoの可能性
radikoは、聴取データを活用した広告モデルを通じて、ラジオを広告媒体として再定義してきました。デジタル配信によって、これまで把握が難しかった「いつ・どこで・どの番組が聴かれているのか」という聴取行動が可視化され、広告表現の幅は大きく広がっています。
とりわけ注目しているのが、位置情報を用いたターゲティング広告です。radikoでは、聴取エリアや移動状況と連動した広告配信が可能になっています。これにより、特定の地域にいるリスナーに向けて、生活圏や行動文脈に即したメッセージを届けることができるようになりました。
例えば、通勤時間帯に特定エリアで聴かれている番組に合わせた広告や、地域イベント・店舗誘導と連動した音声広告など、ラジオが持つ"生活の中で聴かれる"特性を活かした活用が進んでいます。
ローカルが持つ力を全国へ
もうひとつ、これからのラジオの可能性を広げる鍵は「ローカル」にあります。ローカル局の番組には、その土地の言葉や人の息づかいがあり、地域社会を支える情報の力があります。エリアフリー機能によって、北海道の野球中継を九州の人が聴く、東京の人が大阪のパーソナリティーのコメントに共感する──そんな"越境する共感"が日常的に起きています。
ローカルは決して限られたエリアの話ではなく、全国の人に響く普遍的な価値を持っています。radikoはこのローカルの魅力を全国に、そして世界に広げていくことを使命としています。
ラジオの未来を、みんなで創る
私自身、通勤時間にradikoで前日の深夜放送を聴き、笑い声や音楽に元気をもらっています。ラジオには、日常の中で気持ちを整え、前に進ませる力があります。
デジタルが進化するほど、人の声が持つ温もりや信頼は、より際立っていきます。
放送局が長年培ってきたその力を、時代に合わせた形で広げ、次の世代へとつないでいくこと。
私たちは、放送局と共に"Unity=結束"を掲げ、ラジオの未来を共創していきます。
radikoはこれからも、放送の現場とともに、その役割を果たしていきます。
放送の力を、デジタルで広げる。
その歩みを、次の15年も続けていきます。
