NPO法人日本医学ジャーナリスト協会は第13回(2024年度)「日本医学ジャーナリスト協会賞」を11月7日に発表し、大賞1事績、優秀賞3事績を選んだ。民放連会員社から優秀賞にRSK山陽放送報道制作局の楢﨑基弘、古川豪太の両氏が受賞した。
対象となったのは、ゴールデンタイムのテレビドキュメンタリー番組として知られる「RSK地域スペシャル メッセージ」(水[月1回]、20:00~20:55)で今年5月29日に放送した『望まれない性を生きて 臼井崇来人 闘いの十年』。手術なしで性別変更を申し立てた岡山県在住のトランスジェンダー当事者の訴えが最高裁での違憲判断につながるまでの10年を追ったもの。「性的マイノリティの受け入れが遅れている日本での問題が凝縮されている。長期にわたって当事者を撮り続けられたのは取材者への深い信頼なしに不可能。今の時代に強いインパクトがあり、新しい時代が見えてくる」と高く評価された。
同賞は質の高い医学・医療ジャーナリズム活動を根づかせることを目的に2012年に創設。全国からの自薦・他薦に基づき、オリジナリティ、社会へのインパクト、科学性、表現力を評価基準に審査委員会で決定した。このほかの受賞は次のとおり(敬称略)。
【大賞】
「移植見送り問題」を巡る一連の報道/読売新聞東京本社 臓器受け入れ断念取材班
【優秀賞】
▷『水俣病と医学の責任――隠されてきたメチル水銀中毒症の真実』(大月書店)/神経内科リハビリテーション協立クリニック院長 高岡滋
▷連載 「700 万人時代 認知症とともに生きる」、 書籍 『認知症 700 万人時代 ともに生きる社会へ』 (かもがわ出版)/京都新聞 鈴木雅人、松村和彦
贈賞式は11月18日に行われる。詳細は同協会のウェブサイト(外部サイトに遷移します)にて。