米パラマウントグローバル社が1月末、2つのサービス、Paramount+とShowtimeを統合し、新ブランド「Paramount + with Showtime」を立ち上げると発表した。2023年後半に実施される予定。Paramount+には、広告入りの基本プラン(月4.99ドル)と広告なしのプレミアムプラン(月9.99ドル)があり、米国では統合後、Showtimeのコンテンツをプレミアムプランで配信、視聴可能になる。パラマウントはすでに、Paramount+とShowtimeを組み合わせたプランを月11.99ドルで提供しているが、新体制で完全な統合となる。
今回の統合により、47年の歴史を持つ有料ケーブルチャンネルShowtimeも幕を閉じ、同じく「Paramount + with Showtime」として生まれ変わる。この新ケーブルチャンネルでは、Paramount+のオリジナル人気シリーズ『イエローストーン』『クリミナルマインズ』のスピンオフなどが放送される。
パラマウントグローバル社のボブ・バキッシュCEOは、「視聴者とのより深いつながりなどを促進するために、所有している全コンテンツをより有効に活用する方法を提示した」などと話している。ただし統合後は、当然削除されてしまうコンテンツもある。視聴率が低い番組からカットしていく方針で、その関係スタッフはレイオフされる。すでに『アメリカン・ジゴロ』など3つのコンテンツの打ち切りが発表されている。
米国の配信市場は近年、飽和状態とされる。各社は広告入りプランを導入したり、複数サービスを視聴できるプランを提供したり、いくつかのサービスを統合したりと、多様な手法で契約者獲得と、運営の最適化を図っている。今回のパラマウントグローバル社の統合戦略は、HBO Max とディスカバリー+を統合しようとしているワーナーブラザーズ・ディスカバリー(WBD)のケースとよく似ているといえる。
パラマウントグローバル社は2022年9月末時点で、Paramount+とShowtimeを合わせ、6,600万人の契約者数がいると発表している。