【事績概要】TBSテレビ・WOWOW 映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」の開発が最優秀(2024年民放連賞技術部門)

民放連企画部
【事績概要】TBSテレビ・WOWOW 映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」の開発が最優秀(2024年民放連賞技術部門)

8月22・23日中央審査【参加/16社=20件】
審査員=民放連技術委員会「技術表彰選考小委員会」委員


民放連賞の技術部門は、会員各社の放送技術に関する開発・改良などにより、民放事業に貢献し、その発展に寄与した事績に賞を贈る。

本年は16社20件の申請があり、民放連技術委員会「技術表彰選考小委員会」が、有効性、汎用性、創造性、主体性などの観点から総合的に判断し、最優秀1件、優秀6件を選考した。さらに、技術奨励賞1件を選考した。表彰事績の概要は次のとおり。

最優秀=TBSテレビ・WOWOW/放送局が開発したテクノロジーを製品化 映像伝送ソフトウェア「Live Multi Studio」の開発
映像・音声・制御信号の伝送ソフトウェアを、プロトコル開発から製品化まで自ら手掛けて実用化した。複雑な操作が不要で簡単に接続でき、超低遅延を含む複数の遅延量の映像を一対の帯域・機材で安定して伝送可能など優れた特長を持つ。
これにより中継制作現場における機材、要員、回線などの効率化を実現し、リモート制作の活用に資するなど、テレビ制作技術の高度化に大きく貢献した。

優秀=北海道文化放送/ 業務改善を目的とした報道用WEBアプリケーションの自社開発
放送だけでなく、動画配信やSNSへの投稿など業務が増加している報道現場の課題を解決するため、配信用ニュース動画の簡易作成や、FAXで届くリリースを自動認識して記者の取材を支援するアプリケーションを、少人数で安価に開発・実用化した。
これにより、ローカル局の限られた人員とコストの中においても報道現場の業務改善を実現させ、テレビ放送業務の効率化とDX推進に貢献した。

優秀=日本テレビ放送網/ 新しいビデオペンの開発と多機能化
番組におけるCG演出の高度化を進めるにあたり、入力装置として直感的な操作が強みであるビデオペンに着目し、民生機を用いた社内開発と操作画面の工夫により、多機能なビデオペンシステムを開発・実用化した。
これにより、専門の技術者でなくとも直感的な操作によって多様なCG演出を簡単に行うことが可能になり、テレビ制作技術の効率化と高度化に貢献した。

優秀=テレビ朝日/ネイティブ版縦型動画変換システムの開発
AIの活用により、横型の放送用映像素材を適切に縦型に切り抜く、テロップを縦型動画に再配置する、元素材の同一映像部分を探し出して同期させて編集するといった機能を備えた、スマートフォン向け縦型動画の自動作成システムを開発・実用化した。
これにより、編集ソフトによる手作業を解消し、現場の負担なく訴求力の高い動画の大量配信が可能になり、放送関連業務の効率化とテレビ放送への接触促進に貢献した。

優秀=フジテレビジョン/ クラウド技術をフル活用!コンテンツ2次利用推進システムDACXの開発
現行の業務フローの問題点を洗い出し、アジャイル開発によって、高速・高機能なエンコード、6種類の帯域の素材同時プレビュー、地上波データとの連動による自動的な字幕付与などの機能を備えたシステムを開発・実用化した。
これにより、放送用コンテンツの2次利用における素材準備業務の一元管理と、作業の大幅な省力化を実現し、配信等の2次利用向け業務の効率化に貢献した。

優秀=毎日放送/ 指揮者主導の総合制御 生オーケストラ、生合唱、事前収録合唱
動画を同期するシステム開発
手首に装着した小型振動センサーで指揮者の動きを解析し、合唱動画の再生速度をリアルタイムに調整するシステム「FUTTE-Me」を開発した。
これにより、事前収録された合唱動画を生オーケストラと生合唱に同期させ、場の空気感を踏まえた指揮者の即興的な感情表現を実現することが可能となり、テレビ制作技術の高度化に大きく貢献した。

優秀=ラジオ沖縄/ひかり電話によるラジオ中継を行うためのルータ制御装置の開発
ラジオ中継回線の光回線移行に際し、専用の中継装置ではなく、市販ルータと既存のIPコーデックを利用して、ひかり電話で音声を伝送する方法を考案し、複雑なルータの設定を簡単なボタン操作で行うことができる装置を開発・実用化した。
これにより、高価な機器や技術知識がなくとも光回線による番組中継が可能になり、少人数での番組制作や業務負担の軽減を実現し、ラジオ制作技術の効率化に貢献した。

技術奨励賞=東海テレビ放送/市販のマイク付きBluetoothイヤホンをインカムヘッドセットとして使用するための変換装置を開発
Bluetoothイヤホンをインカムのヘッドセットとして無線接続するための変換装置を開発し、中継業務の環境改善と効率化に貢献した。

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