米テレビ配信の明暗 VUitは契約局拡大 Locastは運営停止

編集部

ローカルテレビ無料配信サービスVUitが11月、新たにローカル71局と配信契約を結んだ。その中にはマサチューセッツ州ボストンや、メリーランド州ボルチモア、ペンシルベニア州ピッツバーグなど大都市のローカル局も含まれる。これにより全米210市場のうち174市場をカバーすることになる。

VUitは、米テック企業Syncbak(本社アイオワ州)が運営、Grayテレビジョンが出資する配信サービスで、創設1年になる。米ローカルテレビ配信サービスの競争が激化する中、勢いのあるサービスだ。VUitのユーザーの視聴時間は月平均8時間。正式なユーザー数は非公表だが、11月現在で25万~50万人といわれている。Syncbakのジャック・ペリーCEOによると、広告収益も増加しており、特に、自社の市場以外の利用者へのローカル広告の出稿需要が高まっているという。

VUitの躍進とは裏腹に、今年ついに運営中止に追い込まれたのが、放送局のコンテンツを無断で無料配信していたLocastだ。ABC、CBS、FOX、NBCUから共同で訴えられていた訴訟で、9月に違法判決が下されたのを受けて運営を停止。10月末に3,200万ドルの損害賠償金を支払うことで決着した。2018年から21年まで約3年の短い営業期間で、14年に米最高裁判決で著作権侵害と判断されたテレビ番組の再配信サービス「エアリオ」と同様の運命をたどった。

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