米国でビデオポッドキャストが盛んに YouTubeに続いてNetflixが本格参入

編集広報部
米国でビデオポッドキャストが盛んに YouTubeに続いてNetflixが本格参入

米国でいまビデオポッドキャストが盛んだ。これまで音声メディアとして発展してきたポッドキャストが、映像を伴うトーク番組として配信プラットフォームやコネクテッドテレビ(CTV)のFASTチャンネルで存在感を高めている。

ビデオポッドキャストは基本的に従来の音声ポッドキャストと同様、ホストによるトークやインタビューがメインのコンテンツだ。しかし、スタジオ映像や複数カメラによる収録を行い、「聴く」だけでなく「観る」ことを前提としたフォーマットとして再定義されつつある。制作コストが比較的低く、固定ファンを抱えやすい点は音声ポッドキャストと共通する。映像を伴うことで発見性や二次利用の幅が広がる点が特徴だ。

現時点でビデオポッドキャスト最大の受け皿となっているのはYouTube。米調査会社Edison Researchによれば、米国の週ごとのポッドキャスト利用者の約3分の1がYouTubeを利用している。検索性や無料視聴、コメント機能を備えたYouTubeは事実上ビデオポッドキャストの標準プラットフォームとなっている。また、ポッドキャストリスナーの72%がビデオ付きのコンテンツを好むという調査結果もある。

こうしたなか、動画配信大手Netflixがビデオポッドキャスト分野に本腰を入れ始めた。Netflixは2025年12月、米ラジオ大手のiHeartMediaと提携し、同社が手がける複数の人気ポッドキャストをビデオ版として配信する計画を発表した。『The Breakfast Club』や『My Favorite Murder』など15本以上のコンテンツシリーズを対象に、2026年初頭から米国で配信が始まるが、YouTubeでは配信されなくなる。音声のみの配信権は引き続きiHeartMedia側が保有する。

さらにこの直後、Netflixはスポーツ&カルチャーメディアのBarstool Sportsとの提携も発表した。Barstool Sportsでスポーツ情報や解説を届ける人気ポッドキャスト3番組(『Pardon My Take』『The Ryen Russillo Podcast』『Spittin'Chiclets』)のビデオ版を2026年からNetflixで独占配信する。こちらもこれまでYouTubeで提供されてきたが、YouTubeではフル尺映像が2026年以降提供されなくなる。

また、これらに先立ちNetflixは同年10月にSpotifyとも提携。Spotify Studiosと傘下のスタジオThe Ringer制作のビデオポッドキャストをNetflix上で展開すると発表した。スポーツ情報に加え、カルチャーやライフスタイル、犯罪ドキュメントなどだ。Netflixにとってビデオポッドキャストはドラマや映画、スポーツ、スタンダップコメディに続く、ノンスクリプト(非脚本系)コンテンツの重要な補完領域となりつつある。また、SpotifyもNetflixとの提携発表の翌日、FASTチャンネルのSamsung TV Plusと初のポッドキャストチャンネルを立ち上げ、The Ringer制作のビデオポッドキャストの配信を開始した。

流通経路が多層化するなかでビデオポッドキャストというフォーマットがどのような成長を見せるかは、なお未知数だ。

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