2023年民放連賞最優秀受賞のことば(ラジオCM第2種) 朝日放送ラジオ 中央軒 企業CM/記者会軒 篇

野本 友恵
2023年民放連賞最優秀受賞のことば(ラジオCM第2種) 朝日放送ラジオ 中央軒 企業CM/記者会軒 篇

場面はメジャーリーグに移籍する野球選手の記者会見。集まった記者から次々と質問が寄せられます。

一つ一つ丁寧に熱い思いを伝えていく選手。そのコメントの中に「FA権」「好条件」「優先権」「交渉権」「得点圏」「主導権」「成層圏」「初体験」「大冒険」「永住権」「著作権」そして選手自身の名前「川原健」も含めて、「〇〇けん」と最後に「けん」と付く言葉が次々と出てきます。その「〇〇けん」という言葉すべてを「中央軒」と無意識に言い換えてしまう選手。中央軒が好きすぎて無意識にその言葉が飛び出してしまいます。それだけ選手にとって中央軒が日常化していたことがわかります。

ところが現在、中央軒の店舗は関西にしかありません。関西をしばらく離れることとなる選手にとっては一大事です。

記者会見では中央軒への思いが強すぎるあまり「〇〇けん」と付く言葉をすべて「中央軒」と言い換えておりますので、このCMの中では何度も中央軒の名前が出てきます。ただ、よくありがちな企業名や商品名を連呼するCMのイメージではまったくありません。むしろ一風変わった本当の熱い記者会見を聴いているような気持ちにさせてくれます。

プランナー・ディレクター・コピーライターである森田一成さんの中央軒に対する思いが溢れています。森田さんは2012年に関西を離れ東京に進出され、11年たった今でも無性に中央軒の長崎ちゃんぽん・長崎皿うどんを食べたくなるそうです。関西に帰って来た時には、できる限り時間を作っては中央軒に足を運ばれているようです。私も何度かご一緒しています。

このCM内の選手は森田さん自身なのかもしれません。そしてナレーションも含め、出演者6人全員の迫力ある名演技。白熱しすぎて本当に吹き出してしまった演技もそのまま生かしています。

120秒間の長尺CMを飽きることなくむしろ聴き入ってしまい聴き終わった後には中央軒が気になり、どうしても行って食べたい! そんな気持ちになります。実際、放送期間中SNS上やラジオの番組に寄せられたメールで、かなり話題になりました。このCMを聴いたリスナーはもちろんのこと、ラジオ番組のパーソナリティからも中央軒に食べに行ったというコメントも。

そして驚いたのが中央軒のお店に「ラジオCMを聴いて東京から来ました!」というお客さまが数人いらっしゃったそうで、お店の方は大変喜んでおられました。残念ながら関東には中央軒の店舗がありませんが、これからこういうお客さまがどんどん増えてくると、中央軒の関東進出はそう遠くないのかもしれません。

麺・素材・スープにとことんこだわり、1人でも多くの方に食べてほしい! という中央軒の思いが、たくさんのリスナーに伝わった熱いCMで「最優秀」という高い評価をいただけ大変うれしい気持ちでいっぱいです!

これからも、もっともっと関西のおいしいもの・素敵な商品・感動していただける場所などを、愛のあるCMで全国の皆さんに届けられるお手伝いができればと思っております!

ありがとうございました!


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