全米でFOXが生中継した2月12日(現地時間)の第57回NFLスーパーボウルは、リニア、デジタルプラットフォームを合計した視聴者数が平均1億1,300万人だった。NBCが放送した昨年の平均1億1,230万人を若干だが上回り、2017年以来、FOXで最も視聴されたスーパーボウルとなった(ニールセンとアドビアナリティクス調べ)。FOX発表の内訳は、リニアで1億600万人(地上波FOXとスペイン語放送FOX Deportes)、配信が700万人(FOXとNFLの全デジタルプラットフォーム)となっている。
アドビアナリティクスによると、配信視聴者数の700万人は昨年と比べ18%増。2020年にFOXが中継したスーパーボウルからは103%増となり、スーパーボウル中継史上最多、かつFOX Sportsにとっても史上最多の数となった。
ニールセンとアドビアナリティクスによると、延べ視聴者数は1億8,260万人に上った。全米でほぼ5,000万世帯(全世帯の40%)、テレビを所有する世帯の77%が視聴したことになる。結果的に試合がハイスコアの大接戦となったことも理由のひとつだが、ハーフタイムショーのスポンサーにApple Musicが初めて就いたことなど、今年は開催前から例年に比べ注目度が高かったことも、数字となって現れた。
アドウィーク誌によると、視聴者数を上げるためFOXはいくつかの工夫を凝らしている。昨年のNBCはケーブルの契約なしでは視聴できなかったが、FOXは地上波局、FOX Sportsアプリ、Foxsports.comを介し、ケーブル契約をしていなくても、CTV(コネクテッドTV)さえあれば誰でも何らかの方法で試合をライブ視聴できるようにした。加えてFubo、Sling TV、Hulu + Live TV、YouTube TVでもライブ視聴が可能だった。
*
一方で、毎回注目される広告は、昨年の大会で突如として台頭した暗号資産系が今年は見当たらず、自動車業界も振るわなかったが(2月10日掲載記事参照)、1月23日(現地時間)の週には全枠が完売したという。広告単価も、30秒枠が最高で700万ドル以上となった。売上総額の予測は6億ドルになると、2月8日(現地時間)にFOXのラクラン・マードックCEOはコメントしている。昨年は同時点で、売上総額の予測は5億ドルだった。
なお、来年開催の第58回スーパーボウルは、CBSが生中継する。