ネットフリックス広告入りプラン CEOがカンヌで公式発表 アドテク提携策を模索中

編集広報部

ネットフリックスの共同CEOテッド・サランドス氏が6月下旬、南フランスで開催された「カンヌ・ライオンズ」で、広告入りプランの導入を公式発表した。今年第1四半期に契約者数の減少が報告されて以来、広告入り廉価プラン導入の噂が一人歩きしていた。年内に導入するとの情報がすでに流れているが、同氏は時期を明言せず、「早急に」とだけ話した。

配信市場の飽和、インフレの加速、景気後退というマイナス要因の中で、ネットフリックスが成長を続け、暴落した株価を引き上げるために広告入りプラン導入は必須だというのが米メディアの見方だ。

以前から話題となっていたROKUの買収については、同氏はカンヌで明確に否定した。アドテク分野のノウハウ欲しさに一社丸ごと買収するのは、時間とコストがかかりすぎるという判断だとウォール・ストリートジャーナル紙は指摘する。大手他社から人材を引き抜き、自社で新部門を一から構築することも同様に難しいといえる。そこで、ネットフリックスが着目しているのが大手アドテクとの提携だ。同氏はカンヌで、「提携先候補全てと話し合い中」としており、グーグルのYouTubeNBCUの動画広告部門FreeWheelなどが筆頭候補に挙げられている。

ネットフリックスは、社員の士気が高まっているとは言えないこのタイミングで、5月に米国内でおよそ150人を解雇し、6月末にはさらに約300人を解雇した。ネットフリックスは声明文で、「契約者減と株価下落による収益減の中で、広告入りプラン開始への投資もあり、苦渋の決断だった」としている。

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