バイデン米大統領 空席のFCC委員候補にアナ・ゴメス氏を指名

編集広報部

バイデン米大統領は5月22日、5人目のFCC(連邦通信委員会)委員に弁護士のアナ・ゴメス氏を指名した。定員5人のうち、この最後の1人の座は長く空席になっている。2021年10月に同大統領から指名されたギジ・ソーン氏は議会の承認過程で1年以上にわたり反対派から激しい攻撃を受け、今年3月指名を辞退していた(この間の詳しい経緯はこちらを参照)。

電気通信分野を専門とする弁護士のゴメス氏はフロリダ州オーランド生まれ。幼少期をコロンビアのボゴタで過ごし、その後帰米。ペンシルベニア州立大学、ジョージ・ワシントン大学法律大学院卒業。現在は米国務省のサイバースペース・デジタル政策局で国際情報コミュニケーション政策シニアアドバイザーを務める。FCCでのキャリアも12年と長く、その間、元FCC委員長ウィリアム・ケナード氏の法律顧問や上院の通信小委員会顧問などの要職に就いてきた。

ゴメス氏が指名されたことを受けNAB(全米放送事業者連盟)のカーティス・ルジェット会長はコメントを発表。全米のテレビがアナログからデジタルに移行する際のゴメス氏の活躍をたたえ、「次世代テレビ規格の普及期にあるいまこそ、その専門知識と経験を活かした貢献を希望する」と期待した。

バイデン大統領は同時に、現役のFCC委員ジェフリー・アダム・スタークス氏(民主党)とブレンダン・カー氏(共和党)を、それぞれ2期目のFCC 委員に指名した。ゴメス氏を含む候補者の確定には公聴会などを経て、上院での評決が必要となる。バイデン政権が掲げた「ネット中立性規則」の復活などの重要案件が加速するかどうかも注目される。

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